◆サザエさん

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サザエさん」といえば、誰もが知ってる国民的長寿アニメ番組。原作は長谷川町子の漫画だが、長谷川さんが亡くなったあともアニメは脈々と放映されている。放映開始が1969年なので、実に40年も続いているわけだ。アニメには声優が欠かせないが、サザエさんの主要な登場人物を務める声優の中で、放映開始から現在まで40年、一貫して同じ声優なのは、フグ田サザエ役の加藤みどり、磯野フネ役の麻生美代子、フグ田タラオ役の貴家堂子(さすがたかこ)、磯野波平役の永井一郎の4人だ。

ところが、6月14日の放映分で、磯野フネ役の麻生美代子に代役が立てられた。番組中に流れたテロップによれば急病とのことで、ブログ上でも話題になった。幸い大事にはいたらず、お休みは1話だけのもよう。すぐに復帰なさるそうだ。報道によると、麻生さんは83歳というご高齢ながら、多趣味に加えて相当なヘビースモーカーらしい。これには反響も大きく、83歳までタバコ吸ってて大病しないなんて信じられません、退院しても禁煙しないんだろうなぁ〜。今後も御健康で 禁煙を始めそうだった旦那の意志が、このニュースでグラグラと…、などと、実にさまざまな感想が飛び交っている。

さすがサザエさん、こんな裏話でさえファンは燃え上がるんだなあ。恥ずかしながら、コチトラ、日曜日午後6時半になると、必ず8チャンネルにチャンネルを切り替える習慣がついている。子離れして30年近くも経つのに、親離れしてないわけだ。画面はすっかりきれいになったし、カツオの活躍ぶりは見逃せない。しかも、サザエさん一家はだれも、全然年を取らないどころか、年々若返っているようにさえ見える。番組の終わりで、サザエさんとジャンケンをして必ず勝たしてもらうのが、この番組への定めでもある。

朝日新聞B版の「サザエさんをさがして」というコラムもずいぶん長く続いている。サザエさんの4コマ漫画に書かれている内容から、当時の世相をうかがい、それに豊富な資料を駆使して、正当な評価を与えるという至極まっとうな内容だ。一人前の新聞記者たちが、しゃかりきになって真面目に入れ込んでいる姿勢がいい。これまでの内容をまとめた単行本がもう既に4冊も出ているっていうんだから尋常ではない。確かにこのコラムは真っ先に読むようにしているし、時代の流れを的確に掴んでいるから、単行本も買いたくなる。要するに、ぼくらが生きてきた、昭和っていう時代の重要な証人なのである。