◆ハイブリット

カシワバアジサイ

世界的不況の中でで、自動車メーカーが苦境にあえいでいる。アメリカのビックスリーほど壊滅的な影響は少ないけれど、後退なんてあり得なかったトヨタ神話がもろくも崩れ去ったことも印象深い。ただ、ガソリン危機で、さんざ煮え湯を飲まされた消費者のハイブリット・カーに対する関心は薄れていないことが救いとなっている。

トヨタ自動車が5月中旬に発売する新型プリウスが、発売前1カ月にもかかわらず、受注台数が1万台を超えた。ハイブリッド車をめぐっては、ホンダのインサイトが発売後1カ月で1万8千台を受注して注目を集めているが、「先輩格」のプリウスは低価格路線に転換したことで、猛烈に巻き返している。 政府も登録13年未満の車の買い替えや新規に車を買う場合も、省エネ自動車を買えば普通車で10万円、軽自動車で5万円を助成する方針だ。10年度燃費基準より15%以上燃費がいい車が対象だが、新車の4割程度が該当するという。

車を運転しなくなって久しいので、このような報道を見ても、心は動かないが、アメリカの例を見ても、基幹産業の再生は官民一体とならなければ成果が上がるはずもなく、おそまきながらだが、政府のバラマキ政策の一つが土ツボにはまったのは
ご同慶の行ったり来たりである。それはともかくとして、都バスにもハイブリット・バスが走っているのをきのう初めて知った。普通のバスよりも車高が高く、天井上にラックを背負っているようなごつい車体のバスである。

アイドリング時の音が騒がしくなったような気がする。乗り心地が格別よかったという感想はないが、バス内の座席の配置が変わったことは分かった。通路が三段式になり、最後尾の席がやや高く設定されている。見晴らしがぐっとよくなったが、つまずきやすい老人は遠慮しろという暗黙の命令なのかもしれない。排気ガスうんぬんといえば、信号が赤になると運転手はエンジンを止める。走り出すときスターターを回すのだが、一発でかかる。車の技術が進歩したのだろうが、道路上でエンストをした経験のある人なら、走行中にエンジンなんか切って大丈夫かなあって思う人も多いと思う。