◆記録ラッシュ

ハナミズキ

日本水泳陣がとち狂ったように日本新記録を乱発している。日本水泳選手権だから、当然、日本水泳界の本拠地辰巳国際水泳場だとばかり思っていた。だが、よくよく見てみると、様子がかなり違う。おかしいなと思って新聞のスポーツ欄を見直したら、古橋広之進記念浜松市総合水泳場とあった。そういえば、古橋は昨年亡くなったんだな、長年の功績を称えて、故人の名前を冠した豪華な水泳場を故郷に作ったんだって、しばし追憶にふけった。

ところが、NHKのインタビューに当の本人が答えているじゃあないか。なんだ、亡くなったと思ったのはダレだったか?とにもかくも元気に生きているのを確認できてよかったよ。閑話休題、五輪の翌年は全般的に記録が低調というが、この新記録ラッシュは何事だい?記録が出やすい水泳場だったのか、若しくは昨年の北京五輪で記録ラッシュをもたらしたイギリスのSPEEDE製の水着に刺激され、国産メーカーが新製品開発に奮起した結果だったのか。

いずれにせよ、日本水泳界の水準が低かったが故の新記録ラッシュであることには相違ない。だが、その中でも世界水準の日本記録を連発する選手も多かったのは、古橋ともども大いに喜ばしいことで、普段はあまり見ない水泳の実況中継や録画を楽しく見させてもらった。願うべきはこれが内弁慶で終わらないことを願うね。

ところで、女子100m平泳ぎ決勝が行われ、優勝は田村菜々香、タッチの差で2位が野瀬瞳、以下順不同で金藤理絵鈴木聡美、十村明日香、福田茜、松下若菜、福島景子というメンバーだった。特筆すべきは、かっては女の子の定番だったホニャララ子はたった一人しかいないことだった。新聞記事で女児に関する事件が起こるたんびに、ああ、この子はなんて不可思議な名前を付けられていたのかって感じたことが度々だった事を思い出す。

2008年度の名前ランキングを見てみると、1位が陽菜、以下結衣、葵、さくら、優奈、美優、心優、莉子、美桜、結菜と続く。子がつくのは莉子だけ、ああ、昭和は遠くなりにけりって、慨嘆せざるを得ない。唯一の子が東莉子のリコだけだったのは、なんか救いのように思えてくる。ただ、息子に命名の理由を聞いたら、ラベンダーの和名「茉莉花」(マツリカ)からとったんだって、偉そうに宣った。そして、オヤジ知ってたって、バカにしやがった。カチンときたが、実をいえば知らなかった。