◆皐月賞

オオデマリ

皐月とは陰暦5月の異称で、田に早苗を盛んに植えるので「早苗月」といったのが略されたとか、「五月雨月」を約したものといった語源説がある。五月雨とよぶ長雨の続く鬱陶しい季節で、「五月雲」とよばれる厚い雨雲が垂れ込め、夜も「五月闇」といわれる暗い闇夜が続き、晴れ間の待たれる日々であるが、その晴れ間がいわゆる五月晴れである。またこの月の5日は「五月の節」、端午節供で、五月幟や五月鯉を立てる。「五月蠅」と書いてうるさいと読ませるのも面白いね。「胡麻の灰」とはスリのことをいう、あっ!それは関係ないか。

先週、阪神競馬場で行われた牝馬のクラシック・レース第1弾「桜花賞」で、断然の1番人気だった「ブエナビスタ」の圧勝だった。第4コーナーではしんがりから2頭目、しかも内の馬が大きくふくれたから、文字通りの大外を回され、とても優勝はないと思わせる位置から、怒濤のような迫力で、先行する各馬をごぼう抜き、楽勝で1位を駆け抜けた。

10日現在、日本中央競馬会(JRA)の騎手勝ち星ランキングを見れば、体力より技術、経験が成績に反映していることがわかる。1位横山典弘の41歳をはじめ、4位武豊の40歳、8位小牧太の41歳、9位蛯名正義の40歳、10位中舘英二の43歳と10位以内の半数を40代が占めている。20代は7位の松岡正海のみ。あとの4人は30代だ。

JRAの現役最年長騎手、49歳の安藤勝己が今年も堅実な騎乗を見せている。騎乗数を抑えているため、勝ち星21勝でランキングは13位だが、勝率は武豊と並ぶ2位で2割4厘の高率だ。桜花賞で安藤勝は大本命馬ブエナビスタに騎乗し、優勝したが、クラシックレースでは史上最年長の優勝騎手となった。

今週は中山競馬場で、牡馬のクラシック・レース第1弾「皐月賞」が行われる。いつもなら、サクラ並木を背景に疾駆する若駒の姿が魅力だったが、今年はもう初夏の陽気、その楽しさは味わえないね。皐月というとすぐに皐月賞が頭に浮かぶほどの競馬ファンだったから、どうも皐月というと4月という気がしてしまう。皐月賞というと、どうも雨模様で、どろんこ馬場っていう印象が強いけど、これって、もしかすると、重馬場のレースで、大穴が出た印象が強すぎるのかもしれない。

今年の大本命「ロジユニヴァース」は久々に登場した関東の超大物だが、騎乗する横山典がビックレースにめっぽう弱く、もし勝てば5年振りのG?制覇となるという、騎手としては自慢にならない記録の持ち主だし、滅法弱くなった武豊騎乗の関西馬リーチザクラウン」、公営出身の豪腕岩田が騎乗する「アンラインバルト」の3強対決といった構図だが、抜け出すのは岩田泰誠じゃあないか。結果、アンラインバルト楽勝の1着、馬単16−4−15 390,930の高配当となった。捕らぬ狸の皮算用となっちゃったね。