◆夜桜

千鳥ヶ淵

気象庁は2日、東京都心で桜が満開になったのを観測した。平年より3日早く、昨年より6日遅いという。開花(3月21日)は平年より7日早く、昨年より1日早かった。3月下旬に気温が低い状態が続いたため、満開までの日数が長かったとみられる。都心の桜の名所、千代田区の千鳥ケ淵のソメイヨシノも見ごろを迎え、2日夜には、ライトアップされた並木道を夜桜見物する大勢の人たちでにぎわった。

今年の桜の開花は本当に遅かった。一昨年、昨年のデータを見ると、3月末までは満開になっていた。自分なりにソメイヨシノを鑑賞するのは3月までにし、4月からは八重桜の開花を待つ区切りにしたかったのに、思うようにはいかないものだ。たとえ夜桜見物するにしてもこう寒くては、とてもじゃないが、出掛ける気にはならなかったね。

とはいえ、昨晩9時のNHKニュースで見た千鳥ヶ淵の夜桜は魅力的だった。それで、夜桜はともかくとして千鳥ヶ淵の桜風景を見に行こうと思ったのだが。まーほんとに驚いたね。九段下駅は大混雑、一番近い出口である4番口は千鳥ヶ淵からの戻り客専門の一方通行となっていた。あぶれた人並みは靖国神社側に出る2番口に殺到し、そこを上って靖国通りにまたがる歩道橋を渡らなければならない。しかも、武道館では、法政大学のマンモス入学式が順次催されているようで、花見客と入学生が呉越同舟で押し合いへし合いしているんだからたまらないね。

目的だった千鳥ヶ淵の桜並木を反対側から俯瞰できる北の丸公園の小山に着いたときは、まさに青息吐息。後で気がついたのだが、軽い昼食で済ませた罰で、低血糖になっていたのである。慌ててブドウ糖の粉末を口にしてようやく平常に服したものの、一時は桜見物するどころではない状態だった。それにしても人が多すぎる。久しくお目にかからなかった人いきれと熱気に、窒息状態になっちまったのも事実だったようだ。それと今年の冬は寒暖の差が激しかったことから、無理矢理ツボミを開いてしまった感がある。だから、ソメイヨシノはなんとなく投げやりで薄汚れており、小さくてシロっぽいのも気になった。

北の丸公園広場の芝生では、サクラもないのに、あちこちに人の群れがあった。サラリーマンや学生、老人会、子連れママのグループなど、 輪になって酒宴や食事会を楽しんでいた。世間でいう不況の影なんかまったく見られなかったね。