ハクモクレン

今日は春分の日、生暖かいが朝から鬱陶しい小雨が降り続いている。毎日が日曜日の身にとっては、最近休日が多くなったのが逆に不便となっている。土日といえばかっては辺境に地であった豊洲にも大勢の人が押しかけ、へしあい、どこもかしこも行列で一杯となる。いつも空いているバスも電車も、不況のせいか、家族連れが多くなり、普段は常連だったジイサンバアサンは隅っこで小さくなっている。

近頃の親は自分のこどもを叱ろうとしないから、こどもは図に乗って騒ぎ立て、赤ん坊はギャーギャーと泣きっぱなし。じゃあ図書館でも行って暇をつぶそうか、なんて思ったらとんでもない、座る席さえない有様だ。むろん、新宿御苑などの公立公園はそれこそ御法度、人であふれかえっている。ああ、はやく平日がやってこないかなあって嘆きたくなる。

ところで、祝祭日というのは、戦前の「祝日」と「大祭日」を総称した言葉で、戦後の1948年に制定された「国民の祝日」法により、現在は「祝日」だけになっている。戦前の祝日は皇室の祝い事、大祭日も皇室の代表的な神事に合わせて決められていた。何度か変遷があり、昭和初期に新年宴会(1月5日)、紀元節(2月11日)、天長節(4月29日)、明治節(11月3日)の4大節(祝日)と、元始祭(1月3日)から大正天皇祭(12月25日)までの7祭日となった。

戦後の祝日法も過去7回の改正があり、4月29日を「昭和の日」、5月4日を「みどりの日」とする8回目の改正が成立し、2007年から祝日は年15日になった。記憶をたどってみると、2月11日「紀元節」、3月6日「地久節」、春分の日を「春季皇霊祭」、4月29日「天長節」、秋分の日を「秋季皇霊祭」、10月17日「神嘗祭」、11月3日「明治節」、11月23日「新嘗祭」。

紀元節建国記念日、春季皇霊祭が「春分の日」、天長節が「昭和の日」、秋季皇霊祭が「秋分の日」、明治節が「文化の日」、新嘗祭が「勤労感謝の日」に化けたわけだ。神武天皇うんぬんなんて、まったくウソッパチなのに、ちゃっかり建国記念日に化かしてしまうんだから、マッカーサーもあの世で、けつの毛を抜かれた気がしているに違いない。だけど、改めて考えと見ると、日本の歴史ってまともに書かれた物があるんだろうか。