◆春風駘蕩

フジテレビ

家事と火事とくれば、興味は大あり名古屋のこんこんちきだが、家事の舵取りは専らにょうぼ委せ、すこぶる呑気な生活を送らせてもらっている。ある医師の言葉だったが、<年を取って要介護者の夫が増えている現状について、そりゃしょうがないでしょう、結婚した途端、奥さんは要介護者を抱え込んだんだから>。蓋し名言、にょうぼの介護のお陰で、人生を気楽に送ってきたようなもんだ。そうはいいながらも、ほんのわずかだが、風呂周りと洗濯物の取り込みは一応コチトラの仕事となっている。

冬場、風呂の追い炊きは試行錯誤の結果、32分と決めている。入るのがやっというかなりの熱さだが、それでいい。なぜならば、通常風呂に先に入るのはコチトラ、ピタゴラスの原理が見事に証明され、にょうぼとの体重差が湯量に現れるから、かなり水を補充しなければならない。その量に応じて、更に追い炊きしたりしながら、湯の温度を調節することになる。さて、今晩のこと、いつも通りのつもりで、いい加減に湯をかき回してから、足をつっこんだっら、アチチ・・・・。こんなところにも着実に春が忍び寄っているんだなあ。

冬場にはどうしても濃色系の入浴剤を使うことになる。トンガラシを主成分にした真紅色、ショウガを主成分にしたオレンジ色、ジャスミンを主成分にした濃紫色は身体を芯から暖める効果があるから、どうしても多用してしまう。暖色系のユズやモグサを主成分にした緑色の入浴剤はついつい敬遠してしまう。まともにいえばそういうことだが、実は大きな理由がある。明るい色は汚れが目立つから、どうしても入れ替えが早くなる。冬場の風呂場の清掃はけっこうきついものがあり、サボりの言い訳にしているっていうのが本音だ。

熱く火照った身体のまま、ベランダで冷風に身を置く習慣は依然として続けている。色々ご批判はあるようだが、老いの一徹、こればかりは止められない。だが、春風が吹くようになると、厳しい北風が少なくなるから、身体に感じる緊迫感と恍惚感はいまいちとなり、これからの季節、マンネリを続けるることにはなるが、満足感はいまいちとなる。やはり身体がしばれそうになる厳冬にこそ醍醐味がある。