◆春の嵐

ジュリ

早いもので、長男夫婦の長女「樹里」は1歳になった。よちよち歩きができるようになったので、可愛さもひとしおだ。月1回ぐらいの割合で、両家を行ったり来たりしている。会うたんびに成長しているので、ジージもバーバも目尻が下がりっぱなしだ。とはいうものの、我が家に来る順番の時は、ある種の恐慌を覚悟しなくてはならない。なにせ、よちよち歩きだが、動きが速く、興味有るものを見つけると、すぐに口へ入れるし、すぐに投げつける。

ジージの書斎(なんて大袈裟で、実は居間の外れだが)は和風机を使っているから、机の上にあるものには手が届いてしまう。女の子だが、髪の毛が生えそろっていない上に、物怖じしない行動派だから、まるで男の子みたい、ちびっこギャング現るって感じだ。机の上には、普段すぐに手が届くように、あらゆるものが乗っかっている。本数十冊、ファイル類、メモ用紙、コピー用紙、テイッシュ、めがね、ボールペンや鋏、ホチキス、カッターなど文房具、タバコ、ライター、灰皿、携帯電話、薬、時計、セロテープなどなど。移動させるものが多すぎて、まるで引っ越しでもするような騒ぎになる。

幸か不幸か、ここ2回ほどは、息子宅訪問が続いているから、その被害も被っていない。だからといって、油断してはいけない。カバンやハンドバックを閉め忘れたりすると、鵜の目鷹の目のカレ(カノジョ)が素早く見つけて襲ってくる。にょうぼなどはハンドバックの中から財布を取り出され、右往左往させられていた。とはいえサラファン、孫が親しみを持って近寄ってくるだけでも嬉しくて、いつのまにかえびす顔になってしまうのだ。

おかしな話しだが、きのうのジュリチャンはスカートをはかされていた。とにかく活発な上に、大人をからかうような仕草、生えそろっていない髪の毛といい、ついつい男の子のように錯覚してしまうから、スカート姿に、ちょびっとだが違和感を感じてしまった。ゴメンネ、ジュリチャン、でも、このやんちゃボウズ、じゃあなかった、やんちゃオジョウは人を引きつける魅力がある。これから、どのような課程を経て、母親のような美人に変身していくのかが楽しみだ。