◆季節感

永代橋

暮れから正月にかけて、東京周辺だけは、連日冬うららの天気が続いて、とっても得したような気分になっていた。ところが、氷雨が一日中降ったあと、天気は良くなったものの、強い木枯らしが吹き荒れて、一段と寒さが増してきた。遅ればせながら、ようやく冬本番といった雰囲気になってきた。こうなるときつくなるのが、家からの出入り、運河が周囲を巡っているから、風の通り道があちこちにある上に、超高層ビルの乱立により、思わぬ場所にも新しい風の十字路が出現した。豊洲から家への通り道、激しい突風に悩まされることになる。

日中、昼過ぎまで日差しが部屋の奥へと差し込んでくるので、夜になっても南側の部屋はなんとなく暖気が残っている。それでもこれだけ寒さが厳しくなると、夜ともなれば、さすがにストーブなしとはいかず、ガンガン燃やしている。室内はさながら春の如し、徒長したスパティフィラムも、気がつきゃ、しおれて枯れそうな風情、触ってみれば、土がカラカラに乾いている。それだけ、室内の空気が乾燥しているわけだ。

今年は1月早々帯状疱疹にかかってしまい、例年に比べてだいぶ立ち後れてしまったようだ。冬枯れの季節が長く続きそうだからと、自分をだましだましきたんだけど、季節の移ろいはそんなことに関係なく進んでいるようだ。寒さが厳しいから、花の咲くのも遅れそうだという憶測も見事に裏切られてしまった。たとえばウメ、密かに見つけておいた穴場では、コウバイは三分咲きだったが、シラウメは満開だった。

ところが小石川植物園では、コウバイは既に散っていて、シラウメは五分咲きだった。また、この時期の楽しみであったカンザクラ、永代橋東詰の名物はまだ蕾だけで、見頃は3月に入ってからだという、ところの人の話しだったのに、小石川植物園ではもう散っていた。なんか家に閉じこもってばかりいると、微妙な季節の移ろいに鈍感になっている自分を思い知らされる。