◆路線図

紅梅

書斎のテーブルの下には、東京メトロ都営地下鉄が発行する路線図が置いてある。常に最新の路線図を取り寄せている。改めてみてみると、ずいぶんと新しい路線が出来ていて、路線図からいまにも掃き出されそうに思えるほど、パンパンに張っている。昔は地下鉄銀座線、丸ノ内線東西線、都営浅草線ぐらいしかなかったから、とっても見やすく一目で目的地までの路線図が読めた。それが、いまじゃもう、こんなに多くなってしまうと、その行程の設定さえ迷ってしまいそうだ。

それにしても、まだ乗ったことのない路線がいかに多くなっていることか。一頃大きな話題となった、東京メトロ副都心線」も関心はあるものの、わざわざ乗りに行くのもバカげた話だし、コチトラの生活範囲からは大きく逸脱しているし、恥ずかしながら、まだ、一度も乗ったことがない。そういえば、JR「つくばエクスプレス」も、都営「日暮里・舎人ライナー」も乗っていない。どちらもまったく乗る必要がない無用な路線だからだ。

都営浅草線とつながっている京成線経由の千葉県印旛日本医大駅までの「北総線」、東西線とつながっている千葉県勝田台駅までの「東葉高速線」、南北線とつながっている浦和美園までの「埼玉高速鉄道線」、これらはそういう鉄道路線があることは知っていても、まるで「縁なき衆生は度し難し」といった類だからどうしようもないね。高速鉄道だなんていっても、都内を走るときは、当然のように各駅停車だからしまらないね。それと、こういう過疎地を走る鉄道運賃って、かなり割高に設定されているようだ。

北総線沿線といわれても、全くの処女地みたいなもので、ほとんど分からない。強いていえば、むかし中山競馬場から、人の行き来も疎らな木下(けおろし)街道を下っていくと白井分場というトレーニングセンターがあった。金指造船が所有する、カネの頭文字がつく馬を調教していた、成宮厩舎などが所属していた記憶があるくらいだが、とにかく辺鄙な場所だったことは事実だ。浦和美園といえば、埼玉スタジアムがあるところらしいが、日本のサッカーにはとんと無関心だから、乗るはずもない。