◆天地人

シラウメ

きのうは春なみのいい天気だった。さすがに全開とは行かないが、シラウメ、コウバイの類もぼちぼち咲き始めていた。ところが、今日は今年初めての「春一番」が吹き荒れるとのこと、いまの春一番は季節の訪れを喜ぶ前に、黄砂の来襲も心配しなければならないだから、たまったもんではない。昨日は神戸市内を黄砂が襲い、一時は見通しがまったく効かないほどだったという。

日本の歴史といえば、コチトラの大好物、様々な人物が現れては消えていったが、信長や秀吉のように、目立った存在ではないけど、歴史上にその人有りとの評価を残した人物には限りない愛着を感じてしまう。その中でもとりわけ関心のあった人物が数人いる。戦国時代では真田幸村立花宗茂蒲生氏郷・鮭延山城などが興味をそそる人物像だが、今回NHK大河ドラマに登場する「直江兼続」もその一人だ。

原作者の火坂雅志は膨大な資料を読みあさり、人物造形には定評のある作家、これまでは、どちらかといえば、歴史の陰に埋もれていた人物にスポットライトを当てる作風で知られていたが、満を持してこの「天地人」を書き下ろした。天地人とは天を最上とし、地・人の順となる。これは、孟子の教え「天の時 地の利 人の和」を上杉謙信が引用したと考えられるが、直江兼続もこの言葉を心の片隅におき、執政に当たったのかもしれない。主人公は上杉景勝に仕えた上杉家の家老・直江兼続

主に舞台となるのは、戦国時代。大河ドラマ史上初めて関ヶ原の戦いに敗れた側の武将が主人公となる作品でもある。ひたすら利のみを求める戦国時代に、「愛」を重んじ、「義」を貫き通したヒーロー・直江兼続。主君・景勝をはじめ、師と仰ぐ上杉謙信や友人・真田幸村との深い係わりを主軸に、同時代に生きた戦国武将や妻・お船をはじめとする女性たちとの人間関係、利を求める社会において発生する格差など現代社会に通じる問題、といったさまざまとテーマを盛り込みながら、兼続の生涯が描かれる。

主人公の兼続役を演じる「妻夫木聡」は、大河ドラマへの出演自体が初めて。兼続が終生仕えることになる景勝役は北村一輝が演じる。他に、兼続より年上の正室お船役には常盤貴子、景勝の義父であり、兼続に大きな影響を与えることになる謙信役には阿部寛、また、兼続とは生涯の親友同士である石田三成役の小栗旬真田幸村役の城田優をはじめ、主要キャストの大半が平均年齢20〜30代の俳優で占められていることも特徴的である。