◆冬うらら

ビオラ

「冬うらら 小春日和に 篝花」、いずれも冬の季語で、篝花はシクラメンの和名だ。冬の晴れた日を冬日和というが、それが寒中ならば寒日和で、「冬麗」「冬麗か」「冬うらら」は、いずれもその冬晴れの日が、春かとまごうように明るく、暖かく、穏やかなさまをいう。そんな冬うららが続いているきょうこの頃だが、ベランダの花たちが一斉に元気づいて、花合戦を繰り広げている。我が家の中心勢力は依然としてゼラチャンだが、半ば古木化したゼラチャンと挿し芽で増やした若いゼラチャンが競い合うように花を咲かせているのが、とても嬉しい。

ゼラチャンの花の色は、シロ、ピンク、オレンジ、レッド3色の計6色だが、親、子、孫が競い合って花を咲かせている。親と来たひにゃ、およそ10年以上の古株達、まるで古木のように木化し、いまにも枯れそうになるが、時期になるとしっかりと花をつけるんだから見上げたもんだ。茎挿しで増やした子孫達も順調に育っているのは楽しいね。なにせ、このベランダは日当たり抜群だから、大して手をかけなくても植物は順調に育つのだ。

今年はこれに加えて、昨年苗を購入して、開花後剪定しただけで、ほったらかしておいた、ミニシクラメンとマーガレットが、秋頃から勢いを吹き返し、溢れんばかりの葉を広げてきた。もしかしてと見守っていたところ、晩秋の頃から蕾が次々と顔を出し、いまや満開の勢い。おどろき桃の木山椒の木といったところだが、そうなると、水遣りに精を出すやら、枯れ葉や咲き終わった花殻をまめに取り除いたりしているんだから、さまあないねえ。

あとは5種類のビオラ15株、これは1年草だから、毎年様変わりするが、今年一番元気なのがシロとキイロのビオラである。枯れた花を摘んでいるとよく分かるのだが、茎が太く手応えがある。咲く花も大柄の見事なもので、ビバの園芸店で買ってきた苗とは雲泥の差がある。なぜか?

実は日比谷公園で毎年開かれているグリーンテックでは、開催終了日に周囲を飾っていたビオラを4株200円で売り出す。たまたまその場に居合わせ、運良くそれを買うことが出来た。公園を飾る花だから、苗そのものがよく選定されていて、量感もあり、いわゆる高級品なのだ。植え替え当初は元気がなかったが、十分手入れしたら、俄然やる気を出してきて、見事再生に成功しちまった。自分で買ってきた苗がくすんでしまって、貧弱に見える。