◆命名権

ビオラ

今年の赤ちゃん命名で最も多かったのは、女の子が「葵」、男の子は3年連続で「大翔(ひろと)」だったことが調査で分かった。昨年に女の子で147位だった「あおい」も78位に上昇しており、NHK大河ドラマに主演中の宮崎あおいさんの人気が大きく影響したようだ。今年1月1日から11月13日の間に生まれた赤ちゃん約3万8000人を対象に、名前や読み方、漢字などを調べた。

女の子の2位は「結衣」で、昨年まで3年連続1位だった「陽菜(ひな)」が3位だった。15位内では、使われた漢字は「美」がトップで、美の付く名前も4つがランクイン。読みは2年連続トップの「ゆい」など2音の名前が8つを占めた。男の子は「蓮」が2位で、「悠斗」が3位。プロ総合格闘家へ転向を表明した北京五輪金メダリスト石井慧選手の「慧」や、テニス界の新星錦織圭選手の「圭」の人気が上昇した。

赤ちゃんの名前が近年、難しい漢字を使ったものや、難しい読み方をする漢字を使ったものが流行っているようだ、太郎、次郎、花子などの優しくてほのぼのした名前なんか見向きもされない時代である。こうした難しい名前をつけられた子が長ずるに従い、当用漢字でさえも読めなくなるなんて皮肉なことも起きそうだ。バカが持てはやされ、なにせ麻生首相自らが、それを実践しているんだから、なにをかいわんやである。

このような傾向は、一つには漢字に対して比較的関心がなかった世代だから、起きた反作用だろうか。それとも、女性誌などが特集などで若い両親を刺激して、そういう風潮を作ってしまったのかもね。なにせ、この世代、「赤信号みんなで渡れば恐くない」方式の、人のやっていることと同じことをしないと不安になるという連中だからね。立派な名前をもらいすぎて、あとで当の子供が大迷惑するだろうって発想なんてまったくないんだろうね。ファッションなんだからと、難しい名前を気楽につけてしまう風潮はどういうもんだろうか。

最近子供に対する犯罪が激増しているが、被害者となった子供の名前が今風だったりすると、たとえば、千葉県東金市で起きた事件の被害者が雪満(ゆきまろ)という名前で、しかも女の子の名前だったというのも記憶に新しいが、なまじ変わった名前だったが故に、より一層悲惨さが増幅して感じられる。迷宮入りしている大阪・小4、吉川友梨(ゆり)ちゃん、今市の小1、吉田有希(ゆき)ちゃんも、ともに優雅な名前だけに、痛ましさがより一層つのるのである。