◆花と木

サザンカ

花と木を追っかけている身として、ふと気になったのは、わが住む江東区の木と花はなんだろうかということだった。インターネットで調べると、木は黒松、花は山茶花だった。サザンカは分かるとして、クロマツが選ばれた理由が分からなかった。区内を歩いていても、クロマツなんてめったにお目にかからないし、推察するに、江東区役所に見事なクロマツがあるからだろう。それにしても区民の投票によるとあったのが不可解だなあ。サザンカは樹齢100年を超す古木も珍しくないとあったが、すごいもんだなあ。

さて、江東区の区木と区花が分かると、東京都の木と花はなんだろう、ついでに日本の主要都市の市木と市花はなんだろうということになり、けっこう面倒だったけど、一通り調べてみたよ。以下、その結果である。(都府または市、木、花の順で列記する)

東京(銀杏、染井吉野)、大阪(銀杏、梅・桜草)、名古屋(楠、百合)、福岡(鉄糯、芙蓉)、京都(北山杉、枝垂れ桜)、横浜(珊瑚樹など6種類、薔薇)、神戸(山茶花、紫陽花)、札幌(ライラック、鈴蘭)、秋田(欅、皐月)、盛岡(桂、燕子花)、仙台(欅、椿・萩)、千葉(欅・大賀蓮)、新潟(柳、チューリップ)、金沢(梅)、松本(赤松、蓮華躑躅)、岐阜(つぶら椎、サルビア)、堺(柳、躑躅)、広島(楠、夾竹桃)、徳島(ホルトノキ、桜)、長崎(南天櫨、紫陽花)、熊本(銀杏、肥後椿)、鹿児島(楠、夾竹桃)。

札幌のライラック、京都の北山杉、千葉の大賀ハス、岐阜のツブラジイ、熊本の肥後椿なんて郷土色豊でいいなあ。徳島のホルトノキとはなんなんだろうか。福岡のクロガネモチ、盛岡のカキツバタ、松本のレンゲツツジ、長崎のナンテンハゼは漢字じゃちょっと難しいからカタカナ書きも併記した。むろん各市のHPではかな書きだったけどね。

ホルトノキの名前の由来は少々奇妙で、ホルトとはポルトガルのことらしい。そこから来た木という説(実際はポルトガル原産ではないが)、江戸時代に薬用に使われていたホルト油(ポルトガル油とも。オリーブ油のこと)の取れる木と誤解されたのでという説がある。いずれにせよ誤解に基づくものらしい。常緑高木であるが、一年中、一部の古い葉が紅葉している。葉は倒卵形でやや鋸歯があり、ちょっとヤマモモに似ているが、より質が厚い。本州西側、四国、九州、台湾、インドシナなどに分布する。