◆超高層ビル

豊洲の超高層ビル

19日のニューヨーク株式市場で、大企業で構成するダウ工業株平均の終値が前日比427.47ドル(5.1%)安の7997.28ドルになり、03年3月末以来5年8カ月ぶりに8000ドルを割り込んだ。値上がりした前日から一転して大幅安。10月27日の年初来安値8175.77ドルを大幅に下回った。この日発表された10月の住宅着工件数も過去最低の水準まで下落。実体経済の悪化が改めて嫌気され、大手銀行株も軒並み大きく値を下げた。

米政府の打ち出した経済政策も焼け石に水実体経済はますます悪化している。こうした金融状況の悪化により銀行の貸し渋りが始まり、不動産価格も下落するという悪循環となっている。ただ、すべてが悪化する中で、強い円が存在感を増している。内需拡大が有利に展開出来そうだし、対米依存から脱却できる日本のチャンスがこの辺にありそうだ。

以前はそれなりに風情が感じられた、豊洲と枝川を隔てる朝凪橋だったが、いま川沿いに巨大な壁で風の流れや青空そして空気までも阻むような巨大な壁、とっても不愉快な高層建築群が姿を現してきた。橋と運河沿いには45階建ての住友不動産・シティタワー2棟、豊洲第2小学校を押しつぶすように並ぶ45階の三井不動産豊洲タワー、そして10階まで立ち上がったシティタワー第3棟。いずれも一部を除き住居専用住宅で、改めて全貌を見回すと、まるで悪魔の棲む不吉なタワーのように思えて仕方がない。

この4つの超高層ビルは、売り出し価格をどの辺に設定するかが、かねてより注目されていた。億ションばかりという推測も多かったようだが、5000万円前後と、比較的リーゾナブルな価格を打ち出してきた。販売状況は不明だが、とにかく完成時期があまりにも悪すぎたのも事実だ。どちらも財閥企業の中核的存在だから、資金繰りなどの心配もないだろうけど、まだ、あちこちに残る未着工区域の開発は大幅に遅れそうである。

川一つ隔てて開発が遅れていた枝川地区も、中小マンションの建設ラッシュが始まっている。こちらは施工主も建築業者も、川向こうの大規模開発とは異なり、中小零細業者が多いようだ。ほとんどが10階前後の小規模マンションでワンルーム・スタイルが多いようだ。まだ、ほとんどが仕掛かり状態で、他人事ながら、完成まで会社が保つのかよ、なんて余計な心配もしたくなる。