◆閑中忙あり

晴海インフォラータ

睡眠不足を嘆きたくなるのは変わらないけど、それでも、ここ10日ほどは昼飯を食べるやいなや家を飛び出している。秋の日は釣瓶落としというけれど、午後5時前後には辺りが暗くなってくるから、てきめんにデジカメの性能が落ちる。フラッシュ撮影は基本的にはしないから、夕暮れの暗さは致命傷となる。そういうわけで、取るものも取り敢えず、浅草、日比谷公園晴海トリトン日比谷公園新宿御苑を慌ただしく駆けずり回ってきた。

いよいよ菊薫る季節がやってきた。その口開けとなったが、浅草寺境内で行われる菊花展、以下日比谷公園の菊花展、新宿御苑の菊花壇展と続く。やはり種類が多く、内容の充実しているのは新宿御苑だが、口開けとなった浅草寺は、なにせ初物だっただけに、喜びも大きかった。今年は天候がよかったせいか、花の色艶といい、見事な型といい、豪華に仕上がっていた。菊のような仕立物を見るにつけ、花の見事さとともに、栽培に携わった人々の苦労と愛情を感じざるをえない。コチトラには、きめ細かい手入れなど手間暇をかける辛抱がないだけに、なおさら強く感じる。

日比谷公園の菊花展は長丁場の2日目だったせいもあって、会場の半分ほどがまだ店開きしてない状態で、寒々しい光景だった。点在する大菊も心なしか寂しげな風情で、強い日差しをまぶしそうに見上げていた。栽培に携わった人たちばかりがやたらと目につき、なんか慌ただしかったな。まあ、15日間開催の2日目じゃあ、気合いも入っていないだろうし、致し方ないかもね。新宿御苑は毎年同じ場所に同じ種類を展示しているので、ややマンネリ感があったね。

日比谷公園のグリーンテック2008は、庭造りの展示とハンギングバスケットのコンテストだったが、花に飢えているコチトラはバスケットに植えられている花々にばかり目がいって、肝心のハンギングバスケットをゆっくり鑑賞する余裕はなかったね。っていうより、この種のものにはあまり関心がないっていう方が正解かな。花そのものも、中途半端な時期でもあり、これはと思えるものには出くわさなかった。

晴海トリトンのインフォラータ2008は、毎年見に行っているが、年々つまらなくなっているように思える。原画の描き方が雑で稚拙なものが多く、せっかくの華やかさが一向に燃え上がってこないのだ。色とりどりのバラの花びらを豪華に使っているだけにもったいないって思わずにはいられない。