◆おじぎ

ハンギングバスケット・日比谷

テレビのニュース番組を見ていると、大臣も、役人も、医者も、業者など猫も杓子もが、毎日のように雁首をそろえ、「心よりお詫びします」と頭を下げている。暴言、汚職、医療事故、食品問題、大臣の暴言以外は、国民生活に直結する重大事である。だが、よく見ていると、書いてある文章を読み上げたりして、どうもなおざりに頭を下げているようで、誠意を感じないケースが多い。

「赤信号 みんなで渡れば 怖くない」、みんながやっていることをやっただけじゃないか。それなのに、どうして謝らなきゃいけないんだよっていった開き直りさえ感じてしまう。マンナンライフの社長なんか開き直ってしまったが、世論の圧力に負け、コンニャクゼリーの発売中止を決断した。この開き直りが会社を悪い方向に持って行くっていうことは、雪印乳業などの例を見ても分かりそうなものなのに、奢れる平家は滅びることになる。

サブプライム問題に端を発して、不況がまさに深刻化しているという。だけど、ちょっと首をひねらざるを得ない感じだね。先だって搭乗したANA札幌便はジャンボジェットだったにも関わらず、空席なしの満杯だったし、搭乗料金は決して安くないのにJシートから埋まっていくと聞いた。コンサートやイベントはどこも満杯だし、ミシュラン三つ星レストランはどこでも予約を取るのさえ難しいそうだ。街を走っているのも、ベンツ、BMWアウディなど高級欧州車が多いようだし、2500万円もするベントレーは予約待ちらしい。日曜日に銀ブラしてみたが、銀座の目抜き通りも裏通りも、欧米ブランドの旗艦店が櫛比していて、客の出入りも激しかった。

株の乱高下、それが及ぼす実体経済への影響、富裕層と貧乏人の二極分化ということがよくいわれるが、こうしたノー天気の場面をみていると、そういう話ってウソッパチじゃないかって思いたくなる。その証拠に選挙管理内閣の麻生首相には危機感もなにもないようだ。連夜、高級ホテルや高級レストランに出没し、取り巻きたちを集めて、ブランデー片手に、ハバナをくゆらすという優雅な生活を送っているという。酔いどれ気分で国家を語っているとは、あまりに不遜であるから、単なるお遊びなのだろう。なんと、9月29日から10月21日までの28日間に、はしごを含め、延32回も繰り出し、いわゆる「秘書官との懇談」を行っている。危機管理に携わる首相には、「どういうか」、「なんとなくというか」、とにかく「いかがなるものか」って問いたいね。