◆大波乱

洞爺湖・北海道

19日京都競馬場で行われた秋華賞で、G1初の1000万馬券が飛び出した。単勝11番人気「ブラックエンブレム」が直線で抜け出し快勝、自身と開業6年目の小島茂之師(40)に待望の ビッグタイトルをもたらした。2着に8番人気「ムードインディゴ」、3着に小島茂厩舎2頭出しの16番人気「プロヴィナージュ」と、伏兵が上位を独占。3連単4−1−15は重賞最高、歴代3位となる1098万2020円の超高配当となった。1番人気トールポピーは10 着、2番人気レジネッタは8着に敗れた。

今年のフェブラリーSから関西馬に12連勝を許していた関東馬が、今年初めてG1を制覇。秋華賞関東馬Vは97年メジロドーベル以来となる。とはいえ、 今回に関してはエンブレムも半ば関西馬のようなもの。前哨戦ローズSの前に栗東トレセンに乗り込み、長期滞在で鍛えられ、開業6年目でG1初勝利となった小島茂師は「施設が充実していて、栗東の方が多くのやり方を試せる。特にいいのが逍遙馬道。高低差が激しいので、馬が自然と歩き方を覚える。腹筋も鍛えられるみたい」と説明した。

それにしても、今年の牝馬三冠は最後の最後まで波乱だった。桜花賞3連単、12番人気―15人気―5人気で700万円、オークスが4人気―13人気―5人気で44万円、そして締めくくりとなる秋華賞が11人気―8人気―16人気で1098万円とはねえ。すべて2桁人気馬が馬券に絡んでいるんだから、どうしようもないよね。よくよく考えれば、春の2冠で波乱を演出した馬たちが、今度は主役に擬せられたこと自体に疑問符もつけられたね。よく当落ギリギリで出場を果たした馬が波乱を演出するが、今回3着に入った16番人気馬がまさにその伝だった。

朝日新聞夕刊の小コラム「素粒子」で、<街の景気を肌でとスーパー視察の後、夕食は帝国ホテルの麻生首相。そのセレブ感覚、羨ましくもあり、羨ましくもなし。3歳牝馬の女王を決める秋華賞で、1098万円のG?史上最高配当。そんな万馬券、取りたくもあり、取りたくもなし。紅葉前線ただいま順次南下中。待ち遠しくもあり、待ち遠しくもなし>ってぼやいていたが、首相の超セレブ振り、重賞の超万馬券、どちらも庶民感覚とは縁遠い存在だね。紅葉前線だけが、唯一庶民の手の届くところにあるかなっていうのが悲しい現実だね。だけど、あのように気取ったセレブを首相なんかしないぞっていう権利が庶民にはあるのも事実だ。