◆秋の雨

地球岬・北海道

羽田空港に着いたら、窓の外は霧雨に煙っていた。モノレールで浜松町に着いたら、沛然たる大雨に変わっていた。慌ててタクシーに飛び乗り、渋滞の中をようやく家に。まずは窓を開け放ち、畳の上に大の字に寝転がって、やれやれ。やはり、旅慣れないものにとっては、家に帰るとほっとするね。ダレに気兼ねするでもなく、気ままに振舞えるからだろうか。5日ほど留守にしたのは、孫リコの七五三を祝うため、北海道に遠征していたからだ。

それにしても日本は狭いようで広いね。札幌は抜けるような青空が広がっていたのに、東京は大雨だもんね。前の日、室蘭近くの地球岬から眺めた紺碧の海はどこまでも広がっていて、地平線は180度見渡せ、噴火湾を隔てた彼方に、駒ヶ岳の雄姿が霧に霞んで浮かび上がっていた。

10月半ばともなれば、北海道はさぞかし寒かろうと、重装備の上、着替えを大量に持ち込んだのが裏目となったのは、嬉しい誤算だった。滞在中の4日間、ずっと好天と暖かい日和が続き、見事な光景に出会えたのはほんとにラッキーだった。ただ、楽しみの一つだった紅葉は、あまりにも暖かい日が続いたので、まだ錦秋とは行かず、まだらボケだったのは残念だった。

例年ならもう10日もすれば雪が降り出すなんて、とても信じられない気がした。ただ、七五三詣での北海道大神宮の境内で、初めて雪虫の群れに遭遇したが、この雪虫が発生すると、ほぼ10日過ぎには、雪が降り出し、長い冬の始まりを予告するといわれているそうだから、間違いなさそうだね。

今回、孫リコの七五三祝いに嫁さんの両親とともに招待され、ついでに観光旅行に連れて行ってくれるということで、喜び勇んで参上した。ただ、本音を言えば、リコに会いたいというのが決断の理由だった。4泊5日の旅だったけど、リコの成長ぶりには目を見張ったね。あのとてもシャイだった子がすっかり娘らしくなり、カメラを向けると、ポーズを取ってくれるっていうんだから、あたふたしちゃったね。調子に乗って、小学1年生になったら、一人で豊洲バーバと栃木バーバの家に行くなんて、人を驚かす発言もあった。そんなの出来っこないのは百も承知だが、かなり前向きな発言ができるようになったのも嬉しかったね。

成長したリコと北海道を旅する幸運に恵まれたのも嬉しかったが、観光とグルメのスケジュールを考え、ばっちし案内してくれた次男坊夫婦にも感謝感激雨霰、すっかり世話になってしまった。お陰で北海道をすっかり堪能できたね。