◆丸ノ内界隈

カウパレード

今日は朝から爽やかな快晴だ。なんでも8日ぶりの晴れ間だそうで、久し振りにお天道様に出会った気がする。湿度も低くからっとしていて、いかにも秋深を思わす快適さだ。いまにも雨が落ちてきそうな空模様を気にしながら、丸ノ内界隈をさ迷ってきた2日間が恨めしい。延3万歩近くも歩いたわけだから、せっかくの好天気だけど、疲労困憊の極みで、表を歩く気力も失せてしまってる。

丸ノ内仲通を中心に、東京駅周辺大手町一帯を範囲とした「2008年カウパレード」が開催されている。これは欧米で流行の兆しを見せているもので、カラフルに彩られた、グラスファイバー製の実物大牛型オブジェ65頭と、子牛のような「ベビーカウ」8頭を、オフイス街のそこここに展示している。むろん配置場所の地図もあるけれど、それに頼らず任意に探し出す面白さもあって、閑人にとっては絶好の企画といえる。

っていうわけで、初日の探検は仲通を中心に、御幸通りまでの新丸ビル東京国際フォーラムなどのビル群を探査した。20体ほどの牛どもを見つけたが、日暮れで断念。2日目に残りの牛どもに挑戦することになった。作戦としては有楽町界隈の外側からスタートし、ビル一つづつを巡回、御幸通りを越して、大手町から、新丸ビルを中心とした東京駅周辺、丸ノ内周辺の見落とした場所の再探査、そして、最後のターゲット日比谷公園の一匹にたどり着くという行程だった。

同じ場所を何度も行きつ戻りつ、それだけで18000歩も探し回ったわけだが、ついに見つけられなかったカウは3体、ほとんどが外に設置されていたのに、これら3体はビルの内部に設置されていたようで、見過ごしてしまった。実をいえば、「カウ」の発見なんて口実に過ぎないわけで、新丸ビルも見てなかったし、赤レンガから、近代的超高層ビルに変容してしまった丸ノ内の実態をつぶさに見てみたかったのである。

改めて驚いたのはビルの大きさと数の多さ、看板を見てみると、そのほとんどが、銀行、証券、保険、、ホテル、外資系商社、IT関連の会社が占めており、未曾有の金融危機出来の中で、その偉容がまるで陽炎のようにはかなく見えたのは幻だったか。丸ビル、新丸ビルなども平日とはいえ閑散としており、仲通を散策する買い物客も少なかった。唯一目立ったのが、金融関係本社が集中している場所だけに、一様に黒い制服に身を固めた来年度入社予定者たちの集団だった。前途洋々の筈で入ってきたのだろうが、厳しい旅立ちだったね。