防御

ソフトボール優勝・朝日コムより

大気汚染が心配された北京五輪だったが、大会期間中、青空も多くあり、灰色の空気は一掃されていたようだ。ただ、これはあくまで北京だけの話で、サッカーが開催された瀋陽や上海の空の色はおなじみの鈍色だった。中国政府が威信をかけて周辺工場の操業停止を強行、車両の通行制限、果ては雨を降らせない人為的措置も取ったというから、全体主義体制の国が取るスケールの大きさを感じざるを得ないね。

蜘蛛の巣スタジアムを筆頭とするスポーツ諸設備も、すべて豪華けんらんで、よくも短期間に仕上げたと称賛できるものだった。中国の持つ計り知れないスケールの大きさを感じさせられる。五輪後の中国の経済が高度成長を持続するか、大気汚染、地域格差と物価の高騰によるスタフグレーションに悩まされるか、とにかく、中国政府のかじ取りが難しくなるのは想像に難くない。

女子ソフトボールで、日本が念願の金メダルをとったが、むろん、3連投を強行した上野投手の意志の強さが特筆ものだが、勝利の源泉はチームワークにあったと思う。この決勝も含め、日本は苦戦の連続で、野手の再三にわたる好守、好打が上野を守りたて勝利に導いた。勝利のためにチーム一丸となって守りを固めた結束の強さが印象的だった。上野投手の座右の銘は「守りは最大の防御なり」ということだったが、その通りの結果となった。

「攻撃は最大の防御なり」は団体スポーツの鉄則だが、ひるがえって、日本の団体スポーツを見てみると、星野ジャパンの打てないこと、まさに天下一品だね。こんな野球で金メダルを狙うなんておこがましい。全敗に終わった男子バレー、ブラジルに軽くあしらわれた女子バレー、ボロ守備の上、攻撃力なしときちゃ、勝てるはずなんてないよね。こんな下手糞の連中だって、マスコミは苦言を呈するどころか、チヤホヤ扱うから、選手連中もなんか勘違いしてしまうんだろうね。

女子バレーの場合、気になったのは背中に明記された名前、メグダとか、サオリだとか、芸能人じゃあるまいし、アイドル並みのニックネームをデカデカとつけていた。それで強ければ文句ないが、初めて見る者にとっては、この選手はなんという名前なのかも分からずじまいだった。これって、限られたファンにしか分からない閉鎖的行為で、選手をアイドル視しようとするマスコミの陰謀だろう。こうして周囲が甘やかすから、いつまで経ってもいい選手が育ってこないのだ。