◆新市街

ポーチュラカ

いいいよ、今晩から北京オリンピックが始まる。17日間の熱い戦いとなりそうだが、眠れない夜が続きそうだ。とりあえず今晩の大がかりな開会式が楽しみだ。

枝川と豊洲は川一つ隔てただけだが、この周辺を大まかに区切ったとすると、枝川は旧市街、豊洲は新市街といった感じになるね。豊洲の中でも高層ビルが林立する辺りに行ってみて、初めて気づいたことがある。以前にも触れたことのある電信柱がまるでないのだ。そう、すべてが地下に埋没されていて、すっきりしている。それに比べると、橋一つ渡っただけで、枝川地区は電柱が立ち、電線が四方に張り巡らされ、非常に雑駁な印象となる。

豊洲の発展と引き換えに枝川地区の衰退は著しく、八百屋、魚屋、クリーニング店、畳屋、コンビニなど、次々と廃業に追い込まれている。わずかに残っている食堂や蕎麦屋風呂屋も、タクシーやトラックの運転手ご用達といった感じになってしまっている。かくいうコチトラだって、コリアタウンでたまに焼き肉を食べることを除けば、枝川で外食するなんてことは、まったくない。買い物にしたって然り、いい店がないと文句をいいつつも足は自然と豊洲に向かっている。

豊洲の街づくりのコンセプトは、ちょっとブランド志向の若者たちが集まる街とでもいうのだろうか。特に「ららぽーと豊洲」はその意識が顕著で、お年寄りなんて相手にしていないよ、ってな感じの店がやたら多くて、店内を歩いていてもちっとも面白くない。食べ物にしても無国籍料理の店ばかりで、純粋中華料理屋、蕎麦屋、寿司屋などはわずか1軒、洋食の店だって、まともな店は見当たらない。要するに気楽に入って、焼きそばやラーメンを食べたり、かつ丼や天丼、ハンバークやトンカツを食べられる店が皆無に等しいのだ。

三井不動産がターゲットにした中間管理層はこれからの時代、一番先に置き去られる運命にある。物価の高騰とともに、ローンの金利が上がり、生活が圧迫されるだけならともかく、幼児の教育問題も大変だし、さらに、いつ会社から退職の引導を渡されるかも分からない。表面的にはかっこいいんだけど、内面的にはこれからかなり追いつめられるはずだ。一方、定年退職者は、なにかと国による徴求が増えてはいるが、その内実はかなりというか余裕があるはずだ。これをターゲットにしない手はないと思うんだが、違うかな。