◆コーラ

カシワバアジサイ

コカ・コーラの大瓶は我が家の必需品、飲料というより薬としての役割の方が強い。低血糖になったとき、一時的特効薬となる。コップ1杯弱で90カロリー、砂糖大さじ2杯強と同じカロリー数だ。コーラに限らず、原成分が10%以下のジュース類もほほコップ1杯程度で80カロリーもある。冷やして飲む飲み物は、舌が甘みを感じないため、甘味分を多くしているわけだ。最近、新たな在庫として、カロリーゼロのコカ・コーラも加わった。これはジュース類を飲みたくなった時用で、病院のナ−スに教わった。パンチは足りないもののコーラらしき味わいはある。

コカ・コーラはホット・ドッグとともに、むかしは子供たちの憧れの飲み物と食べ物だった。進駐軍が日本にもたらしたものの中でも、最も日本に普及したものといえよう。一時はコーラ中毒といえるほど飲みまくっていたが、コーヒーを飲めないことも大いに与っていたかもしれない。当時なにかといえば喫茶店という風潮だったのが、コーラ飲みに一層拍車をかけたこともある。コカ・コーラが日本で製造されるようになっても、その製法は秘密で、アメリカから送られてくる原液をボトリングするだけだった。この秘密主義が、さらに興味を抱かせ、巧みな広告手法とあいまって、日本を席捲したのだった。

種明かしすると、コカはアオギリ科の常緑高木。高さは8〜15mになる。ガーナやブラジルが主産地で、近年は西アフリカ地方の主要産物の一つとして、乾燥した種子を欧米に輸出するようになった。コーラの種子はコーラナッツと呼ばれ、カフェインの一種のコラチンなどを含む。生で噛むと興奮と活気を覚えるので、古くからアフリカ人が用いていた。コーラの種子エキスを含む炭酸飲料は、世界的に普及している。代表的な銘柄にコカ・コーラ、ペプシ・コーラがある。

さて、コカの葉とコーラの実のエキスを主要な原料とするから、「コカ・コーラ」。この名前の付け方は非常に納得いくのだが、「ペプシ・コーラ」はなんとなく意味不明だった。「ペプシ」とは胃液中に分泌される消化酵素の「ペプシン」のことだ。ペプシ・コーラのルーツは、1898年、アメリカ、ノースカロライナの薬剤師キャレブ・ブラッドハムが調合した消化不良の治療薬だ。この治療薬をもとに作られた飲み物がペプシ・コーラ。消化酵素の「ペプシン」とコーラナッツの「コーラ」を合成した名前だったのだ。