◆カニコロ

孫たち

日曜日、義母辰子13回忌の法要を行った。今年初めて長男、次男家族が顔を合わせたわけで、リコとジュリの初顔合わせがハイライトだったが、やはりうまくいかなかった。リコは美少女に変身していたが、はにかみだけは変わらず、ジュリちゃんに対しても恥ずかしがっていた。真夏日の法事、二度とやりたくない暑さだったね。

カニコロッケといえば、ドライカレー、テンプラとともに、にょうぼのもっとも得意な料理だった。長男、次男がまだ家付きの時、夕食何にするっていえば、異口同音にこの順番でリクエストが入った。クリコロなんか揚げるそばから大皿に盛られるのだが、あっという間に二人の胃袋に消えていった。コチトラなんか入り込む余地もない凄まじさだったから、別メニューにならざるを得なかった。いまでも、どちらかが親子で我が家に来るときのリクエストは、未だにその順番も変わらないし、あっという間になくなるのもおんなじだ。

カニコロっていったって、本物のカニが入っているわけじゃなし、カニ風味の例のやつをたっぷり使ったものだが、どうして、こんなものが我が家で人気になるのか、そもそもクリームコロッケなるものに、違和感があるコチトラにはちっともわからない。コチトラは、にょうぼの作るジャガコロが大好物で、これさえあれば、翌日の朝食、昼食、晩飯に出てきても文句一ついわないね。

ところが、子供たちが旅立って、夫婦二人きりになると、そうそう大がかりなデモンステレーションをやるわけにはいかない。依然として、コチトラのリクエストは、一にジャガイモとニンジンのテンプラ、二にジャガコロ、たくさん作っても翌日の楽しみがあるから、ちっとも問題はないんだが、にょうぼにしてみれば、量的にも納得できないし、まず面倒くさいのである。ってことで、ジャガコロは口に合わない冷凍物、テンプラはなしという状態が続いている。

だから、子供たちが親子で押し掛けてくる時こそ、フラストレーションを晴らす絶好のチャンス。先日、長男夫婦が来宅したときは、待望のテンプラ、揚げたそばから出されるテンプラを久し振りに、長男と先手争いを演じ、気がつけば食べ過ぎてしまい、ご飯を遠慮する破目になってしまった。思い起こせば、長男もはや四十路、むかしみたいな迫力あるガッツキはなくなっていたね。そうなればそうなったで、かっての壮絶なる取り合いがなくなっちゃったのは、ちょっとさびしい気がしたね。