◆ピン芸人

銀座4丁目

最近のテレビだが、チャンネルはまずNHKの5系統と決めていて、民放で見るのは、クイズ番組か、古館伊知郎の「報道チャンネル」ぐらいしかない。そういうわけで、偶に民放の番組を見ていると、3の倍数になると、奇声を発する「薄汚い男」とか、きれいな顔をした中年美人が突然指を突き出して「グー」ってやる、そんな今まで見かけなかった、お笑いピン芸人がしばしば顔を出す。どちらもギャグの面白さがイマイチなので、お笑いの世界もずいぶん落ちたもんだと内心では思っていた。

ところが、この記事である。<今年の「フレッシュスターランキング」は、3の倍数だけアホになるギャグでCMでも引っ張りだこの「世界のナベアツ」、「グ〜」のギャグと上品さも持ち合わせたインパクトのあるキャラで人気の「エド・はるみ」が「男性部門」「女性部門」のそれぞれ1位に輝き、男女ともお笑い芸人が制覇した。昨年は、「男性部門」では「ハニカミ王子」「ハンカチ王子」「マー君」とスポーツ界が上位を独占、「女性部門」では、長澤まさみ沢尻エリカ蒼井優といった女優陣が目立ったが、大いなる異変となった>(オリコン調べ)

最近小学校では原因不明な奇病が大流行していて、社会問題になりつつある。数学の時間、生徒が3との倍数のときだけアホになった。5の倍数を入力しようとしたら生徒の動作がイヌっぽくなってしまった。正解だったとき、先生に向かって生徒が両手親指を突き出し「グー」と叫んでいた。学芸会で全裸に海パン一丁で、「そんなの関係ねえ」と叫ぶ芸を披露しようと別室で準備していたら、同じことをしているヤツが5人以上いた。

それにしても、いつからこんなにテレビがお笑い芸人で溢れかえるようになったんだろうね。 1980年代にも「MANZAIブーム」なんてのがあったけど、クイズ番組だろうが歌番組だろが、どっかに必ずお笑い芸人がいるって今みたいな現象はなかった。

それが今じゃ「バラエティー」というワケのわからん番組カテゴリーができて、歌手もタレント(この職業も正体不明)もお笑い芸人も、あげくの果てにはスポーツ選手までが仲良く並んでクイズ番組の回答者になってたりする。あるいは司会がお笑い芸人だったりする。「うた番組」とか「お笑い番組」とかの垣根がぶっ壊れて、シェイクアップされて、みーんな「バラエティー番組」化しちゃったてことなんだよなあ。