◆居酒屋タクシー

クチナシ

政府は先月、国家公務員が公費でタクシーに乗った際にビールなどの提供を受けていた「居酒屋タクシー」問題の調査結果を発表した。17省庁・機関で計1402人に及び、うち3人が現金を、55人が金券を受け取っていた。政府は33人を国家公務員法に基づく懲戒処分とし、623人を各府省の内規に基づく訓告・厳重注意などとした。

問題発覚直後の6日に発表した際は13省庁で計502人だったが、その後の職員の自己申告やタクシー事業者の聞き取り調査の結果、3倍近くに膨らんだ。提供を受けた職員が最も多かったのは財務省(600人)で、2番目に多い農林水産省(197人)の約3倍。予算編成や国会答弁の準備などで特に残業が多いことが背景にあると見られる。

毎度、お馴染みの役人による使い込みだが、罰を受ける連中、「おいおい、いったい何が悪いんだよー」って思いでいっぱいだろう。だって公金なんて役人にとって自分たちの金なんだから、どう使おうと勝手だし、自己申告しなかった連中が罰せられないなんて、とんでもない話だ。なくなればカラ出張したり、帳簿に細工したりして裏帳簿を作ればいいんだ。

どうせ罰せられるのはノンキャリばっかし、トカゲの尻尾切りで、ここら辺で幕引きとしようという政府の魂胆はミエミエだよねえ。記者会見で町村官房長官は偉そうにくっちゃべっているが、実はカレなんと猿回しの猿みたいなもの、陰で操っているものは別にいる。日本の官僚機構は律令時代から延々と続いている、鉄壁の国家の基本システムである。施政者がどう変わろうと、関係ない。日本のまつりごとを決めるのは首相や内閣ではない。

官僚機構を総括しているのは、霞ヶ関の基本構造を知っている人は誰でも知っているように、その要のポストが内閣官房副長官である。実質的な国家統治の重要事項は、閣議の前日に行われる事務次官会議で決まる。事務次官会議で決定されたものだけが、翌日の閣議にかけられる。その事務次官会議を仕切るのが、官房副長官なのである。
官僚の世界で何が一番大切かといえば、順位である。

官僚の世界の基本ルールは、幾つかあるが、最大のルールは順位を乱さないことである。順位の基本は何かというと入省年次プラス入省時の席次である。同じ年に入った官僚たちは、毎年席次に従って同じように出世していく。一定のポストをローテーションでまわりながら階級を一つずつ上がっていく。上位に行くに従ってポストの数が減り、上がれない人は外局に出るか、外部に転出していく。本省局長になれる人は局の数だけしかいないし、次官になれるのは一人だけだ。(以下次回に続く)