◆同姓同名

ベニガク

連日続けてきた病院日記、っていうより、病院ドタバタ騒動記っていうべきなのか、いずれにせよ、
そろそろネタが尽きかけてきた。そんなわけで、病院がらみは今週一杯までで終了、来週月曜日から、今まで通り一日おきの常態に戻る予定だ。楽しい話ばかりじゃなくなるのが辛いけど、よろしくね。

6人部屋とはいえ、入口近くの2つベッドはだいたい空いている。常にといったら語弊があるのは、週末の金土には緊急入院があるからだ。金曜日の午後入院1泊2日で、土曜日夕方までに退院していくのである。メンバーを見ていると若い連中が多い。いずれも具合は悪そうで入院当初まるで元気がない。しかし、入院中の忙しさといったら大変だ。入院早々、点滴をつけられ、検査、検査の連続、病室を出たり入ったりの繰り返し。食事はなく、睡眠時間はひたすら点滴、ナースが何度も液剤を取り換えにやってくる。そして、土曜日も朝早くから検査、そして検査の結果を知らされ退院していく。

検査だって半端じゃない。胸部レントゲン、CT、MR、心肺機能、大腸検査、その患者の病気に関する検査が集中している。一応退院していくが、完治したわけじゃないから、後日の外来診察が義務づけられ、捕まった鳥は容易に籠の中から出されない仕組みとなっている。どうも見ていると大腸ガンと肝硬変の予備軍らしい。だけど、元気なく入院してきた連中が、ケロっと元気になって退院していくのはちょっと不思議な気がするね。

ちょっとした事件が起こった。偶然とはいえ2週目に、この1泊2日用のベッドに、隣り合わせて同姓同名の患者が入院した。むろん、同姓同名といっても漢字そのものでなく、音読みがまったく同じという意味である。例えていえば、東浩二(ひがしこうじ)と我妻幸治(あずまこうじ)のような感じかな。二人とも同じような肺機能に異常のある患者だが、使用する薬剤が微妙に違うから、ナースは大変だ。施薬したり、点滴液を取り換えるたんび、わざわざ大声で姓名を連呼している。もしも間違いでもしたらえらいことになるのは目に見えているもんねえ。同病相哀れむ、同床異夢って言葉があるけど、同姓同名と動転看護といった感じだったね。