◆いいまつがい

アジサイと少女

入院してから最初の2日間は、食がのどを通らなかったので、点滴治療に終始していた。つまり本物の病人だったが、それ以後は安静といえば聞こえがいいけど、閑な毎日を過ごすことになった。3度3度の食事がまるでガキのように待ち遠しくなり、ガツガツとご飯粒は一粒足りとも残すまじって、ふたについた米粒までも指先でむしりとるようながっつきさ。こうなると、うまいの、まずいのなんていってる状況じゃないね。

食事以外はひまな状況だったから、閑さえあればコジゼラの記事を書いていた。むろん隔離された空間での思考だから、中身がどうしても限定されてしまうわけで、病院内部で見聞したものが多くなってしまうのは当然だ。ところが、書く場所といえば、ベッドの上に寝転がって書くか、ベッドにさし渡された食膳で書くしかない。それも小さな手帳に、気ままに思いつくまま書きこんでいるので、それを見ながら、パソコンにいま書き込んでいるわけだが、判読にえらく時間がかかってしまう。

書きなぐりの字だから、元々読みにくいのは当然として、困ったのは漢字の書き間違いや平仮名の間違いの多いことだった。始末の悪いのは漢字で、頭の中では分かっているつもりが、いざ書くともなれば、イメージすら頭に浮かんでこないんだから参っちゃうね。「顰蹙」なんて難しい字はスラスラ書けるのに、「様」だとか「飯」みたいな日常使っている平易な言葉が正確に書けない。平仮名にしてもパソコン生活が長いし、ローマ字方式に依存していたから、気がつけば疎かになっていたんだねえ。

書いている自分が分からないんだからと、わざわざ仮名をふっていたのも、後で読むと、かえって煩雑で分かりにくく、苦労させられた。まあ、そういうわけで、しばらくはコチトラの身近な体験談ばかりで恐縮だが、そういつまでも病院生活を綴ってばかりもいられないので、ここ数日は毎日レンチャンで、コジゼラを上げたいと思っている。

きのうがシャバ復帰第2日目だったが、早速花を撮りに出かけ、1万歩弱歩いてきた。不思議なのは、きのう、おとといとも、日中、食後も眠くなることもなく、いつもどおり午前2時半ぐらいまで起きていたことだ。3度3度の食事もうまく(にょうぼの料理はサイコー!)、食前に測っている空腹時血糖の値も入院時の数値を上回る好調さ。ちょっとうまくいき過ぎのきらいもあるけれど、この状態を維持したいと思っている。