心愛深く

モットー

ここ数日、雨が降り続いて、春らしくない寒さを感じていたが、ようやくお天気が回復してきた。だけど、サクラはフゲンゾウ、カンザンなどを除き、大半の八重桜が散ってしまい、さびしげな風情を露出している。3月末ごろからのサクラの季節、思えば、どれだけ駆けずり回ったことか、長いようで実は短い充実した時期だった。しばらくはめぼしい花の出現もなく、虚脱状態で、GWを迎えることになる。それと、月末近くに誕生日を迎え加齢されることも、心理的インパクトが強いってこともあるかもね。

先に「あったまにくる」でも触れた豊洲を覆う「がん箱」2棟は、「シティタワーズ豊洲」(住友不動産)というのだが、地上48階建て、ほとんどが億ションで、内1棟が入居者1063人、5月初頭売出し開始ということだ。「ホテルライクな廊下」「ガラスカーテンウオール」「ダイレクトスカイビュー」、入居者はほとんど日本人のはずだが、キャッチコピーが、なんですべて横文字なんだろうねえ。こうでもしなけりゃ富裕層の興味をひかないとでも思っているのか、あるいは、どんな陳腐なキャッチコピーでも、この場所は黙っていても売れるという住友側の傲慢さの表れか。

笑っちゃうのは、がん箱タワーの工事用のキャッチフレーズ、「人生明るく、人に優しく、心愛深く、 ともに頑張ろう」だ。なんとも立派なモットーだが、ちょっと待てよ、「心愛」だなんて聞きなれない言葉だけど、もしかして「信愛」の間違い、「心 愛深く」?あるいは、もしかして造語、現場にどう説明しているんだろうって思っちゃうね。現場のニッカーポッカのオニイチャンたち、果たして、そのココロが分かっているのかなあ。朝晩通り抜ける場所だから、「心愛」って文字を見るたんび、苦笑が浮かんでくる。

この辺りは川沿いで、いつも風が強い場所だが、このがん箱2棟、間に新設の小学校を挟んで、三井不動産のもう1棟、超高層ビルが並び立つことになる。ビルでふたをされた風の逃げ道はどうなるんだろう。当然、小学校はもろに被害を受けるだろうし、普段でも風の強い朝凪橋なんか、雨の日、突風に見舞われたら、なす術さえないだろうね。