◆大波乱

辰巳公園のサクラ

競馬をやめてしまって久しいが、3歳クラシック・レースとなると、やはり胸が騒ぐね。3歳牝馬クラシックの口あけとなる桜花賞は、なじみのない阪神競馬場で行われるため、他のクラシックと比べると、興味が若干薄くなるのは致し方ない。しかし、このレースで今年のクラシック戦線の火ぶたが切られると思うと、ああ、今年も始まったなって実感も強い。今年は暖冬の影響もあって、競馬場を取り巻く華やかなサクラの杜は、ハザクラになってしまったのが残念。サクラ色をバックに若ゴマがさっそうと疾駆する光景は朧気でいて、かつ華やかだったのに。

はなしは若干かわるが、同じ時間に放映されているプロゴルフ4冠の先駆けとなるマスターズ・トーナメントがおなじみのコースで開催され、3日目の模様を映していた。ゴルフ場のあちこちに、巧みに配されている色とりどりのツツジが鮮やかで、試合の興趣を盛り上げていた。初日、2日目と出遅れたタイガー・ウッズが盛り返し、首位と大差があるとはいえ5位に浮上してきた。タイガーの強烈な追い上げがあるか、興味は尽きないものがある。時差の関係で、深夜か早朝しか中継を見られないのは残念だ。

今年の中央競馬は波乱の連続、穴党は桜花賞にも波乱ありと期待しているようだ。事前の戦いの中で、5年ぶりに連勝した馬がいないという、実力の拮抗している若駒たち、しかも不安定な牝馬の争い、平坦馬場の1600m、波乱の芽も十二分に含まれている。桜花賞の常連、武豊の騎乗予定馬が出走取り消しとなり、騎手の手腕が勝負に左右する一戦だけに、3年連続優勝がかかる、名手アンカツの乗るオディール、勢いのある穴男小牧太が乗るレジネッタが混戦を制するか?

そして、ファンファーレ、レースが始まった。結果は予想通りの大波乱、混戦を制したのは、直線後方から一気に差し込んだ12番人気のレジネッタ3連単「15−18−12」は700万2920円。JRA・GI史上第2位、クラシックでは史上第1位の高配当となった。

さて、小牧太が悲願のクラシックを制覇、期待され公営・園田競馬から中央へ移籍して4年、これといった実績を残せず、「3連単」の穴男として異名をはせるにとどまっていた。優勝インタビューで感無量、涙が止まらなかったのも分かる気がする。ただ、桜花賞も超絶万馬券仕掛人となってしまったのは、皮肉としかいいようがないね。