◆たかがギョーザ

旧音楽学校

たかがギョーザ、されどギョーザだけれど、波紋はおおきい。まずJT、昨年「加ト吉」を日清食品と共同で買収することで合意したが、その統合がご破算になってしまった。次に厚生省、ギョウザやから揚げなどの加工食品はほぼノーチェックで輸入されていることがバレてしまった。更に冷凍食品業界、冷凍食品はスーパーなどで、「特売商品」扱いされることが多く、値崩れが激しい。原油価格や原材料の高騰で、食品業界の値上げが相次ぐ中、店頭価格の引き上げを策していたが、これもパー。下手すれば倒産するメーカーも増えそうな状況となる。

数年前、ホーレンソウなど中国野菜から大量の薬物汚染が出たことから、野菜などの原材料へのチェックは厳しくなった。だけど、日本の自力生産物は36%しかないわけで、野菜などの輸入は依然として多い。調査によると、ジャガイモ、タマネギ、ネギは中国、インゲン、グリーンアスパラはエクアドル、唐揚げはブラジル、ブロッコリーはペルー、サケはカナダ、牛肉はオーストラリアと、まあ、なんと多彩なこと。当然日本の商社などが技術指導しているだろうけど、国民性の問題だけはどうしようもないから、ちょっとでも手を抜かれると、なにが起こっても不思議ではない。おっかないことだよねえ。

ただ、この一連の事件の中で感じたこともある。まず中国の加工会社の設備の立派さだ。衛生、工程管理も厳しく実施されており、その近代的な設備にはただただ驚かされる。中国製品というと、やはり劣悪な環境の中で行われていると思い込んでいただけに尚更だ。中国恐るべしという印象は拭いようもない。この近代的工場をベースとして今後、最新の設備と厳しいチェック体制で臨んでくるだろう中国企業は日本にとっても驚異的存在になるだろうね。いずれにせよ、自力生産に乏しい日本は今後とも中国に振り回されるのは間違いない。