◆桃の節句

マゴ

いやー、おどろいた。孫ジュリがジージ・バーバの呼びかけに、しっかりと答えてくれたのだ。こちらの目元をじっと見つめ、大きく口を開いては、アー、ウーだけだが、音の強弱、口の開き方を巧みに使い分けながら話しかけてくる。そして、ついに何度も笑ってくれたのだ。もう、どうしましょう、メガネが涙で曇るのをひた隠しにして、童心に帰って、このとっても嬉しい瞬間をじっくり味わったね。ジジババが分かるはずはないんだが、これって血のつながりがそうさせるのかなあ。いまでも、あの笑顔を思い出しては顔がついゆるんでくる自分がいる。

樹里ちゃんの初節句に呼ばれて、長男宅を訪れた。これで3度目になるご対面だったが、満3ケ月経ち、かなり、イメージが変わっっていた。そう思ったのも、つかの間、このような対話ができてしまったんだから、まるで桃源郷の中をさまよっているよう、涙ぐみながら必死で写真を撮りまくった。編集してみて同じような写真ばかりだったのはお笑いだが、それだけ写すだけの甲斐はあったというもんだ。だけど、喜んでばかりはいられない。まもなく人見知りが始まるという。一喜一憂、マゴっていう生き物は、天使でもあり小悪魔でもあるのが、つらいとこだなあ。

北海道に行ってしまって、めったに会えないリコチャンも来年は小学校入学となる。どちらかといえば無愛想だったリコが、今年初め久し振りに会ったら、愛嬌たっぷりの美少女に変身していたのにはびっくりさせられた。おかげで、コチトラもすっかり舞い上がって、リコ命って思いに燃えてしまったが。

二人のマゴがドンドン可愛くなって行くのを見られるってのは、ジージ冥加に尽きるなあ。少しでも長生きして、二人の成長ぶりを見守りたい気になっている。二人のマゴと手を結んで、満開の花や、燃えるモミジの下を歩くなんて、夢のまた夢だろうか。「満願成就」を願って、早稲田の外れにある穴八幡神社に参詣して、霊験あらたかなる「一陽来福」のお札を貰ってこよう。