◆塵も積もれば

お雛様

米作りがお百姓さんに嫌がられるのは、すぐ生えてくる雑草との戦いだそうだ。農薬を使えばこの問題は解決するが、そうすれば無農薬・有機米という錦の御旗を掲げられなくなり、価格も下落してしまう。カルガモ農法とか、永田農法とか、田圃を掘り返さない農法とか、いろいろと新しい方法を模索しているようだが、人と雑草との戦いは永遠のテーマとなりそうだ。

朝パソコンを開こうとすると、パソコンや机の上は落下菌で溢れかえっている。どちらも素材が黒だから、目立つ、目立つ。やはり気になるからダスキンを使ったりしながら清掃するわけだが、パソコンの溝の中にまで入り込んでいて、表面の汚れを取るだけで終わってしまうことも多い。パソコンに向かうたんびに、よくもまあ、こう性懲りもなくチリが積もってくれるもんだって呆れている。まさに、ほこり高い男の面目躍如といったところか。

でも、これまでもっと劣化した部屋や自然の中を生きてきた。今では駆除されただろう悪性のゴミを毎日のように吸い込み、それでも元気に生きてきた。にょうぼは掃除機をブーブー鳴らしながら、収まっているゴミを再び舞いあげるなんてこと、一生懸命にやっているが、コチトラにいわせれば、ゴミを吸いこむより、巻き上げる量の方がはるかに多い。

今年は北京オリンピックの年だが、北京の空はいつもどんよりと曇っていて、スモッグや黄砂に覆われている。見るからに不健康を誘発するような空気のようだが、この劣悪の空気を吸いながら、まともにも生きなきゃならない中国人も大変だねえ。金メダルを目指す選手諸君も大変だ。劣悪の空気に加えて、湿度の高い猛暑という、いままで経験したことのない敵とも闘わなくてはならないんだから。

女子マラソンラドクリフなんかは、欠場するか、出場するなら防護マスクをかぶるなんていっている。つまるところ、汚い空気に慣れ親しんでいる中国選手が、国威高揚の証として、各ゲームで圧勝することになる。ひ弱さにかけてはダレにも負けない自信がある日本選手団は、大量の選手を送り込むが、出ると負け、連戦連敗の見事な数字を残すことになるだろう。だって、アテネ五輪の成績はまさに奇跡的な数字、特に柔道と水泳、女子レスリングなど、今後二度とは味わえない勝利の雄叫びが続いた。あれ以後、目立つ選手が一向に増えてこないのも、勝利に安住して対策を誤った指導者の責任だろう。