◆木枯らし

チョウジギク(シロ)

木枯らし一号が吹いたと思ったら、急に寒くなったね。季節からいえば、11月半ばなんだから当然なのだけど、暖冬に慣らされている身体では急に切り替えができないね。今年はインフルエンザの流行が噂されているし、いくらワクチンを打ったからといって油断はできない。そういうわけで、我が家も久し振りに、朝から灯油ストーブがともった。

木枯らしは凩とも書くが、こちらの方が一段と寒さを感じるね。気象庁では、10月半ばから11月末にかけて西高東低の冬型の気圧配置になったとき、北よりの風速8メートル以上の風が吹くとその風を「木枯らし」と認定し、毎秋最初の木枯らしを木枯らし一号として発表する。ここ10年来で、関東地方の平均では11月7日頃であるから、やはり例年に比べてかなり遅かったことになる。

木枯らしと対照的な言葉に春一番がある。立春から春分の間に、初めて吹く南寄りの強風の事。春先、日本海を進む低気圧に向かって南側の高気圧から風が吹き込む事で、この現象が発生する。春一番が吹いた翌日は西高東低の冬型の気圧配置となり、寒さが戻ることが多い。和やかな感じの言葉とは裏腹に、各地で被害をもたらしたりする。春うららというわけにはいかないようだ。

気温が10度以下になると紅葉が急速に進むというから、今週末六義園など都内の紅葉も見ごろとなるだろう。紅葉というのは、高地や盆地など、気温と冷気、日照との兼ね合いで生じるものだから、ただでさえ樹木の少ない東京では見る場所が限られている。六義園、後楽園など名所はあるが、小規模構成で群生は見られず、どうしてもワンポイント鑑賞とならざるをえない。おや、窓から見えるサクラの大木もまだら模様になってきた。これも、けっこう味があるね。