◆文化の日

北大のイチョウ並木(朝日新聞より)

きのうは文化の日だった。土曜日と重なったため、祝日としての有難さはいまいちだったが、文化の日は晴れるというジンクスはしっかりと守られた。前日まではぐずついていた天気もがらりと変り、絶好の好天となった。天気予報図を見ると、前日まで日本列島をウロチョロしていた秋雨前線が太平洋に後退し、西から大陸からの高気圧が入り込むという奇跡のような状態を示していた。休日には外出しないという不文律があるから、ベランダで水撒きをしながら、お天道様の恩恵に浴していた。

文化の日といえば、例年、文化勲章文化功労者の授与式が皇居で行われるが、文化功労者の一人に俳優の仲代達矢が選ばれた。彼は当代随一の大物俳優だが、数年前、長年辛苦をともにしたベターハーフ・宮崎恭子を10数年前に失って以来、長い間その痛手から立ち直れず、俳優としても精彩を欠いていたが、ここにきてようやく新境地をつかみ始めた。この受賞を契機に、鬼気迫る演技で名優としての晩年を全うしてもらいたいものだ。

数ヶ月前、亜希子夫人を亡くしてから、前巨人軍監督・長嶋茂雄の消息がばったりと途切れた。脳梗塞で倒れて以来、リハビリの甲斐もあって、今年は不自由な体ながらも東京ドームに足を運んだり、徐々にファンの目の前に姿を現し始めていた。それが愛妻を亡くしてからというもの、長嶋前監督に触れるのがタブーのように、報道管制を敷かれてしまった。夫婦仲が悪く別居していたなどという風説もあったが、そういう噂話でさえ、ピタリと止まった。推測するにショックのあまり、脳に異常をきたし、ボケ老人の仲間入りしてしまったんじゃないか。

オヤジのスポークスマンを務めていた、長男の長嶋一茂は、折悪しく、10月よりテレビ東京で始まったバラエティ番組を石原良純と組んで司会をしている。ショックがいえないのか、従来の奔放さと天然ボケが消えてしまい、頭の悪さばかりが目立つ普通の人間になってしまった。要するに精彩を欠いているのである。オヤジあってのなんぼの世界だから、前途多難だが、頑張るしかないね。