◆乙な味

デイープインパクト

毎日穏やかな日が続いており、心身とも癒される気がする。北海道では数々の海鮮物が供されたが、たとえば、生イカ、イトウの刺身、花咲ガニの刺身とボイル、サンマとアジの寿司など、魚好きにはたまらない献立だったが、食欲を欠いた身にとっては、乙な味とはいかなかったね。さて、いつまでも北海道の懐旧に浸っていてもきりがないので、これで打ち止め。写真だけはしばらくご容赦のほどを。

「乙な味」という言葉はよく耳にするが、「甲な味」「丙な味」というのは聞いたことがないよなあ。
甲乙丙の順序からいくと、「乙な味」というのは「2番目に良い味」と解釈できそうな気もするが、乙には、邦楽で甲(甲高いの甲)に対して、一段低い音、また低くしんみりした調子という意味があって、「乙な味」とは、まさにこれがルーツとなって、趣があり面白い味わいを指すことになったようだ。

このように、「音楽」を語源とする言葉は意外に多い。たとえば、「派手」という言葉は三味線の組曲で、従来のものを「本手」というのに対し、新しいものを「破手」と呼び、転じて「派手」になったといわれている。「本音」という言葉も「本当の音色」「そのもの特有の色」という意味があったりする。

ところで、ヒステリー、扁桃腺、セピア色の語源って知っている?ヒステリーは子宮、昔は女性特有の病気と考えられていた。扁桃腺はなんとアーモンド、その形がソックリだそうだが、一寸ね。セピアはイカスミのこと、時間が経つにつれ、薄色になるからだそうだ。