◆夜景

洞爺湖と駒ケ岳

かねてより熱望していた函館の夜景は想像通りの素晴らしいものだった。山頂から360度展開する壮大さには度肝を抜かれてしまった。ただ、つくづく思い知らされたのは、夜景というものは見るものであって、撮るものではないということだった。いくら性能が良くても腕が良くても、扱っているのは、しょせんデジカメの中級品、夜景をうまく取れる性能は備えていない。手振れ防止装置がついていても、この暗さだけはどうにも克服できない。三脚をがっちり構え、シャッターを開放にしてセルフタイマーでシャッターを切る。それぐらいの準備をしてやっとまともな写真となる。

藻岩山からの札幌市内の眺望も素晴らしかったが、この夜は底冷えがひどくて、鋭い寒さが身体の隅々に侵入してくる。中途半端な服装だっただけに、とっても応えた。景色を堪能する余裕も出てこなかったね。夜景とともに期待したのは紅葉だったが、これも期待外れ、ちょっと時季的に早すぎたようだ。それにしても、町が運営するシャトルバスでしか入れない秘境、豊平渓谷の絶景には圧倒された。まだ一部しか紅葉してないのが残念だったが、この谷が紅葉で満ち溢れる光景はぜひ見たかったね。

自然の作りだす偉大さには、ただただ敬服するしかないが、羊蹄山洞爺湖駒ヶ岳と大沼小沼の作りだす威容は人知を超えているね。見ただけを撮る、下手なアングル操作は一切必要なし、それなのに意外といい写真が撮れてない。自然はワンダーランドというが、むしろ神の領域に足を突っ込んだ感じになる。