◆でっかいどー

大沼と駒ヶ岳

モノレール浜松町を降り立ったとき、最初に感じたのはじとっとした不快感だった。函館と同じ15度だというのに、空気が湿っているって、こんなに違うものかって改めて感じた。北海道の乾いた空気にはというのは爽快感があった。今度の旅は連日好天に恵まれ、つきすぎた感じがあった。その分、もみじ狩りも大幅に遅れており、黄変はしているんだけど、紅葉が少なかった。市街地にあるナナカマドも真っ赤な実をたわわにつけているものの、葉は淡い緑色だった。五稜郭のカエデは紅葉ってなんなのって顔をしていた。

地理大好き人間としては不覚の至りだが、札幌から函館までは300kmもある。本州でいえば、東京から名古屋までの距離ということで、これには驚いた。「でっかいどー、ほっかいどー」の面目躍如たるものがある。札幌市の人口は185万、2位の旭川市は36万、3位の函館市は30万、北海道全体の人口は560万だから、札幌にいかに一極集中しているのかがよくわかる。札幌を出ると、途端に人家はまばらになり、格差の重みを思い知らされる結果となった。

北海道の風景はとにかく雄大で、たとえば、函館山の景観、洞爺湖羊蹄山、大沼と駒ヶ岳など、自然がきちっと構図を決めていて、作画に工夫する努力がまったく必要がないというのは、ある意味で物足りなかったね。ダレがカメラを構えても、いい写真が撮れるんだから参っちゃうよ。それにしても久し振りの忙しさ、撮りためた写真だけでも700枚もある。ぶりかえしで、腰やももの付け根、くるぶしが悲鳴を上げている。これで、いままで通りの普通の生活に戻れたら、しめたものだけど、そうは問屋がおろさないかもね。