◆敬老の日

そばの花・朝日新聞より

「行ってらっしゃーい」、「お帰りなさーい」って、幼児が声をそろえて叫ぶ、美しい日本語が、何度も快く耳に響いた。振り返ると、子連れの若妻たちが木陰で昼食の宴を開いていた。かたわらには、お約束事の数台のバギー、川面からの快い風が頬をかすめる昼下がり。行ったり来たりを繰り返しているのは豊洲駅発着のモノレールだった。それにしても子供って飽きずに同じことを繰り返すもんだねえ。

きのう、9月20日は秋分だったが、猛暑は収まらず、日陰を探して歩く始末。強烈な太陽は相変わらずだが、からっとしている分だけ楽には感じたね。きのうで、にょうぼも古稀の仲間入りした。長寿系の家系なので、これは新たなスタートラインに立ったっていうことにもなる。レデイーボーデンのアイスを食べて、ささやかにお祝いをした。話は変わるが、9月15日は「ひじきの日」。ひじきが長寿の食べ物と言われていることから、以前の敬老の日にちなんで制定されたという。ところで、ひじきは漢字で書くと「鹿尾菜」、なんとも難しい当て字だなあ。

敬老の日といえば、60歳を過ぎてから、年齢により次のように呼ばれるね。還暦(60歳)、古稀(70)、喜寿(77)、傘寿(80)、米寿(88)、卒寿(90)、白寿(99)、茶壽(108)、皇壽(111)。一般的に、還暦は満年齢で数えるが、それ以外は数え年で祝うことになる。喜寿は喜の草体が七十七と読まれるから、傘寿は傘の略字が八十と読めることから、米寿は米の字が八、十、八と分解できることから、卒壽は卒の通用異字体が九十と読まれることから、白寿は百の字から一を引くと白になることから、つけられた。まるで判じ物の世界だねえ。

めったに使うことはないが、茶壽は茶の字の草冠を二十、その下の部分を米という字に見立て八十八、合わせると百八になることから、皇壽は皇の字を白、一、十、一に分解、九十九を表す白に一、十、一を足すと百十一になることから、ということらしい。計算するだけでも面倒になるが、古人はよほど暇だったんだねえ。年中閑人のコチトラには及びもつかないことかもね。