◆そばえ

南知多町の高波・日経より

おとといの雨は、けっこう凄かったね。東京ではめったにお目にかかれない珍種の雨だった。ああいうのを日照雨っていうんだろう。つまり、「狐の嫁入り」で、遠くに青空が見えているのに、局所的に白々しく激しく降っては止んだ。秋霖のような慕情的なロマンは影をひそめ、強いていえば、下卑た雨だったね。もっとも秋霖というのは数日秋雨が続くことをいうらしいけど、「日照雨」と書いて、「そばえ」と読ませるのも、ちょっと小粋ではあるね。その意味を追っかけようとしたけど、面倒なので止めた。

そして、昨晩から今朝にかけての蒙古襲来、じゃなくて台風の関東地方上陸、ノロノロ台風だったから、日本に近づいても上陸地が確定できないもどかしさ。NHKのクソまじめな報道姿勢には好感するけれど、毎度毎度、同じ映像を見せられるのには参ったね。もう少し画面構成を変化させてくれないと飽きがきちゃって、肝心かなめの大事な部分を見過ごしてしまいかねない。大騒ぎした割に大したことがなかったのは、いつも通りだったが、周囲を運河で囲まれた枝川地区に水があふれかえる光景を、高みの見物といきたかった気もある。

世界的な名テナー、ババロッテイ(71歳)がすい臓ガンでなくなった。同じ日に早混の2期下の後輩(69歳)が同じ病で神に召された。ともに末期ガンでありながら、よく頑張ったと思うが、天命には逆らえなかった。有名無名の差こそあれ、ともに音楽を愛したミュージンだった、ご冥福を祈るばかりだ。同世代の戦死が起きるたんびに、明日は我が身という思いが増幅される。余生をムダに生きている現状を思うにつけ、その思いは募るばかりである。

来年・平成20年の干支は子、12年ぶりに年男となる年だが、おそらくこれが人生最後に味わう自分の年となるだろうね。記念に小さなネズミの置物でも買っておこうかな。チューチュータコカイナ、金婚式まであと5年、果たして無事に迎えられるかどうかも、いささか心配の種である。