◆猛暑日

海水浴・朝日新聞より

ダラダラ梅雨がようやく終わった途端、カンカン照りの毎日が始まった。それにしても暑い。肌をジリジリと焼きつくすような焦熱地獄だ。東京都心では8月に入って、最高気温30度以上の真夏日が続いていて、10日、11日にはついに35度以上の「猛暑日」を記録した。8月の平均気温は史上2番目だというからハンパじゃないよね。

だけど、ちょっと待てよ。ついこの前まで気象庁は今年は冷夏になるって予想していたはずだ。今年の気象庁の予報は外れまくっており、梅雨入りの時期を外したのをきっかけに、猛暑―冷夏―猛暑の二転三転ぶりはいくらなんでもひどすぎるじゃないか。ま、気象庁でも読み切れない地球の異様さが諸悪の根源、しょせん人災なのだけど、世界各国の思惑に左右されて、未だに京都議定書でさえ実現できない有様だから、ついに地球が怒って、トチ狂ったのは間違いないね。

体調の回復期がこの時期に当たったのは、マッコと遺憾の極み。せっかく元気になったのに、表を出歩くこともできないもどかしさ。この強烈な日差しじゃ、弱っている身体じゃひとたまりもない。たちまち熱中症のとりこになってしまう。ゴソゴソと起き出す午前9時ごろには、もう既にギラついたお天道様がやたらと張り切っているから、出歩きたい意欲がたちまち減退し、昼中の外出どころか、夢の世界をいざよい歩くことになる。

それでも、9日の立秋にふと気がついたことがある。ベランダで我慢していた日の光がいつの間にか部屋の一部に入り込んでいる。お天道様が間違いなく低くなっている。猛暑、烈暑、炎暑、劇暑、残暑が続いているとはいえ、自然界の循環は、間違いなく秋の気配を示している。開けっ放しにしている窓からも時折秋の風を思わす涼風が部屋の中を駆け抜けていく。そういえば、日暮れもいつの間にか早くなっていて、漆黒の闇が午後6時過ぎには辺り一面を覆い尽くす。

東京湾大華火大会の打上をいつもの場所でジックリ眺めることができた。風がないから例年にも増して、真円のくっきりした三尺玉の見事な花火を心から堪能した。来年からは、この場所から見ることはできなくなる。豊洲再開発の延長線で、来年春ごろには、花火の方角をさえぎる超高層ビルが2棟も完成する。来年になれば、齢も一つ重ねるわけだから、遠くまで出かける気にはなれないだろうし、今夜が花火を見るのも打ち止めだろうって感慨が目の前をよぎった。(8月10日期)