◆ケーワイ

盆踊り

一部の若者が「KY」という略語を使っている。「空気読めない」「空気読め!」を略した言葉だ。例えば「あいつマジKY」と言えば、「あいつ本当に空気読めない奴だな」という意味になる。また「KYキャラ」は「空気が読めない人や性格」という意味。反対語は「空気読める」を意味する「KYR」である。場の空気にかかわる言葉は他の分野でも発見できる。例えば「2ちゃんねる」では、「空気嫁」という隠語がよく登場する。またバラエティー番組では、空気を読めずに場を一気にシラケさせる様子を「ドン引き」と呼ぶ。場の空気は、若者のコミュニケーションにおいても重要な要素の一つだ。
最近、永田町界隈では「安倍はKY」という陰口がささやかれている。「実感なき景気回復」への反感、地域格差に対する不満といった底流の上に起こったのが、いわゆる「消えた年金」問題だった。さらに、閣僚の失言、不祥事疑惑問題が続いた。柳沢伯夫厚生労働相の「女性は産む機械」発言、松岡利勝・前農林水産相の事務所費用疑惑、久間章生・前防衛相の原爆投下「しょうがない」発言、赤城徳彦・現農水相の事務所費用疑惑。直近では、麻生太郎外務相の「アルツハイマーの人でも分かる」発言。格差問題に悩む地方の人々のみならず、大都市部に住む人々も皆、安倍内閣に失望した。
相次ぐ閣僚の失言や疑惑に対して、安倍首相が的確な対応をしていれば、少なくとも首相への不信感はここまで募らなかったかもしれない。問題なのは、安倍首相自身の対応のまずさだ。赤城農水省の件では「適正に対処している」とかばい、久間前防衛相の失言にも「アメリカ側の論理を説明した」とかばったのは、ほかならぬ安倍首相である。新潟県中越沖地震が発生した日、安倍首相はその日のうちに被災地へ向かった。だが、被災地に首相がすぐに行ったからといって、事態が劇的に好転するわけではない。むしろ、被災した東京電力柏崎刈羽原子力発電所で次々に発覚する問題によって、マイナス面ばかり目立ってしまった。

きのうの参院選、安倍首相率いる自民党となんでもハイハイの公明党は記録的な大敗を喫した。ボケっとしていた有権者もやっと正気に戻ったらしい。改革の途上にあるからって理由で、続投に意欲を見せているが、カレのいう改革というのが、みせかけのエセ改革だっていうことは、もうみんな気がついている。土壇場になっても、KYの安倍首相は間違った方向を見据えているようだ。




ようだ。