◆院と庁

ヒメバレンギク

日本政府の省庁管理体制はどういう組織図になっているのだろうか。例えば省は分かるとしても、内閣府などの府、林野庁などの庁、会計検査院などの院はどういう区別で仕分けされているんだろうか。多分、庁は省の外局、または現業部門、院は独立行政法人ということだろうが、府の意味がいま一つ明確でない。

院とは内閣の所轄の下に設けられた独立行政機関をいうらしい。いま、中越沖地震放射能流失事件で、矢面に立たされているのが「原子力保安院」という聞きなれない組織だ。そんな存在があったのかって改めて知った次第だが、その院長というのか最高責任者というのか、その貧相なこと、これじゃ尊大かつ傲慢な東京電力にはとても立ち向かえないって思ったね。原子力保安院経済産業省の一機関で、「資源エネルギー庁」の特別機関だそうだ。どうも推察するに「院」というのは、統計だとか測量だとか検査など、技術系の人間を集めた部門らしい。国土交通省傘下の国土地理院などもそうだが、人事院だけは内閣の管轄から外れた独立法人だそうだ。

ところで、宮内庁はどこの外局だろうか。従来の流れからすると、内務省自治省、郵政省、総務庁などを併合した総務省だと思ってしまうが、実は内閣府の外局だ。内閣府っていうのはすごいところで、金融庁警察庁も傘下にあり、そのヘッドがなんと内閣官房長官、記者会見などで黒子役に徹しているようで、実は大変な権力を与えられているわけだ。ちなみに、全官僚のナンバーワンは副官房長官、この地位は内閣が代わっても継続されるから、政治の中枢をずっと握っていることになる。おっそろしい話ではあるね。日本でのクーデターなんてちょろいね。総務省内閣府を抑えてしまえばいいんだからね。

総務省っていうのもすごい官庁で、戦前東大卒のトップクラスは内務省自治省に採用され、大蔵省、外務省などはその後塵を浴びせられたものだった。現実的に見ても、全国の知事および経験者の出自は自治官僚が大半を占める。消防庁総務省の外局だが、東京消防庁は東京都の組織、ややこしい話だなあ。なお、海上保安庁国土交通省の外局だ。これもちょっとおかしな話だなあ。