シーアイ

清澄公園

今頃になって、はたと分かったことがある。東京には都営、区営を含めて、大小の公園が点在する。定番はジャングルジム、ブランコ、砂場、公衆便所、植栽、ベンチだが、実はほとんどの公園に時計台が設置されている。夕方5時ごろになると、まず小学校低学年の子供たちが家路を急ぎ、6時半ごろには高学年の子供たちもいなくなる。見ていなくても、大声で、「バイバイ、また明日遊ぼうね」って声が聞こえてくるから、よく分かる。いまでもちゃんと門限が守られているんだなって思うとうれしくなってくる。この子たちのために時計台が必須条件だったんだ。

「コーポレート・アイデンティティー」、略して「CI」は、共同体(地域・組織・集団など)への帰属意識つまり、企業理念をいう。アイデンティティー(Identity)は同一性、心理学でいう 自己同一性。このようにCIは、企業の成長とともにマークやロゴタイプも成長し、ブランドとして浸透していくものだ。高額な費用を掛ければいいデザインが出来るということではなく、企業理念というCI(コーポレートアイデンティティー)が明確で具体的であれば、自ずとその表現が決まる。つまり、企業はその理念の元に企業活動をすることによって、自社のマークやロゴを育てていく意思があるのかということなのだ。

自動車メーカーのマツダの社名はアルファベット表示では「MAZDA」、社名は西アジアの文明発祥とともに誕生した神というアフラ・マズダー(Ahura・Mazda)に由来しており、ツの部分がZであるのもこのためだという。酢のメーカー「ミツカン」の社名のアルファベット表記は「MIZKAN」、旧社名「株式会社中埜酢店」2004年6月、CIを導入、英字表記が「mitsukan」から「mizkan」に変更された。コーポレート・メッセージは「やがて、いのちに変わるもの」だそうだ。

ビールといえばエビス、頑ななまでエビスにこだわっているが、なに、別に味が分かっているわけではない。長年愛飲してきたツケがそのまま残っているだけだ。ただ、コクとキレは格段のものがあるとは思っている。エビスの横文字は「WEBISU」、製造元のサッポロビールはアサヒ、キリンの2強には遠く及ばず、3位が定位置となっているが、後発のサントリーの追い上げをかわせるのも、高級ビールに特段したエビスビールあってこそといえる。