◆隅田川

勝鬨橋

文化審議会は20日、隅田川にかかる清洲橋永代橋勝鬨橋など11件を重要文化財に指定するよう文科相へ答申した。永代橋清洲橋関東大震災の復興事業としてそれぞれ1926(大正15)年と28(昭和3)年に完成。40(昭和15)年にできた勝鬨橋は国内で最大級の跳開橋(跳ね上げ橋)。いずれも当時の最先端技術を用いて建設された点が評価された。

遅すぎた位の決定だが、とにもかくにも重要文化財に指定されたことはわがことのように嬉しいことだ。どの橋もコチトラにとっては、十分お馴染みの橋々、隅田川に架かる20幾つもの橋の中でも、際立って優れた肢体と見事な景観を誇っている。勝鬨橋の豪快さ、永代橋雄大さ、清洲橋の優雅さ、どれをとっても優劣をつけがたい。勝鬨橋隅田川の河口に架かる橋として有名だったが、東京湾の埋め立てが進み、どこが河口なのかわかんなくなってしまったのが残念だ。

芥川賞の選考委員に小川洋子(45)と川上弘美(49)が、直木賞の選考委員に浅田次郎(55)が加わることが決まった。3人は数多くの文学賞を受賞しているだけなく、小川洋子は「博士の愛した数式」、川上弘美は「センセイの鞄」、浅田次郎は「鉄道員(ぽっぽや)」という大ベストセラー作品を生んでいる。人気、実力ともに備えたメンバーが加わり、選考委員の顔触れも若返ることで、10代の作家も候補作に挙げられる新しい時代に対応した、より活発な議論が期待できそうだ。

7月の第137回選考会での選考委員の人数は、両賞ともに9人になる。芥川賞選考委員は、2003年7月に山田詠美(48)が加わった後は補充がなく、その後、古井由吉(69)と三浦哲郎(76)が退任、今年1月の選考会を最後に河野多恵子(80)が退いた。直木賞も2000年7月の林真理子(53)、宮城谷昌光(62)、北方謙三(59)以降、委員の新任はなく、その間に黒岩重吾さんが在任中の03年に亡くなったほか、田辺聖子(79)と津本陽(78)が退任している。