腹時計

ナノハナ

最近、低血糖になったときは別として、腹時計があまり機能してないようだ。居眠りしているケースも含めて、昼飯の時間にもあまり空腹を感じない。ベランダの外を、若いサラリーマン連れが大声で笑いながら通り過ぎていく声を聞いて、ああ、昼なんだって気がつく。
この辺りは意外に会社が多いようで、昼休みともなると、若い会社員がどこからともなく出てきて、数少ないコンビニや弁当屋へ大挙して殺到するようだ。仕事に満たされているんだろうか、仕事から解放された、つかの間の喜びを発散させているんだろうか。男女を問わず、それにしても、屈託のない笑い声が多い。

最近頻尿とか、大人のオムツとか、いままであまり見られなかったCMが多く見られるようになった。それだけ、そういう需要が多くなったってことだろう。先日の鬼怒川旅行の途中、パーキングエリアでオトコども7人がツレションをやった。一人もピッピッピ、ピッピッピはいなかった。それぞれの顔にアリアリと落胆の色が走った。みんな自分だけが正常で、特に年長組にはピッピピを期待したようだけど、残念でした。勢いがよかったということはさすがに話題とはならず、けっきょくはダレが一番早かったかが争点になった。バカだねえ、オトコって。自慢するわけじゃあないけれど、アワが一番多かったのはコチトラだぜ、どうだ、泡食ったか。

毎日のように、外から聞こえてくるのが廃品回収業のマイクによる声、「お手持ちのパソコン、テレビ、洗濯機、なんでも結構です。無料でお引取りします」ってやつだ。これも何台もが入れ替わり立ち代りやってくるが、アナウンスの声がどうでもいいような無気力なのと、いかにも親切そうなソフトボイスでは受ける印象がものすごく違う。現に無気力な声が、「どうでもいいですよ」って感じで近づいて来たから、ベランダから見下ろした。案の定、軽トラックの荷台には、見せ掛けと思えるものしか乗っていなかった。ダレでも思うことは一緒なんだね。