確定申告

ミツマタ

早々と確定申告に行ってきた。説明書を読みなながら、数分足らずで仕上げたものを持参したが、けっこう間違いが多かったのは、やはり年齢からくるボケなんかなあ。それにしても、税務署の指導員の親切なこと。終始ニコニコと笑顔を絶やさず、テキパキと処理してくれ、あっという間に、当初の予想通り納税することになってしまった。昼休み15分前に駆け込んだにもかかわらず、タイムオーバーだったのに、最後まで付き合ってくれた。たとえ僅かの納税とはいえ、国民の義務を喜んで果たせた思いで、さわやかな気分になった。やっぱり笑顔と親切って大事なんだな。

なんて柄にもないことを書いているが、事実そう思わせるものがあったのは間違いない。
しかし、改めて考えてみると、年金額の増大といい、介護保険料の天引きといい、老人控除額50万円の撤廃による新たな税金付加といい、タダでさえ少ない年金収入が年々減ってくる。税金を払うことによって、諸々の官費が連動してくるから、たまったものじゃない。都バス、都営地下鉄の無料パスもせっかくその資格を得たのに、もう来年からは有料となってしまう。年間1000円でいいものが、今年9月以降は2万円となる。

追い討ちをかけるように、来年4月以降、70〜74歳までの医療費自己負担率が1割から2割になる。入院すると、部屋代、食事代も自己負担となる(これは既に実施中)。民間の調査によると、病気になっても医療費を払えない不安を抱いている人が低所得層で8割もいることが分かった。年収300万円以下で、資産300万円以下のプア層では不安がある人が84%、そのため、この1年間で「具合が悪くても病院にいかなかった」が40%、「医師に勧められたのに検査や治療を受けなかった」という人も26%もいた。

いまの年金収入を見てみると、リッチ層(年収800万円以上、金融資産2000万円以上)よりもプア層に限りなく近い。医療費や課税金額は老齢者ということで、優遇されてはいるものの、去年実施された老人控除の廃止や医療費自己負担額の倍増など、弱い者いじめを得意技とする政府の施策により、いまや、着々と外濠は埋められつつある。いずれは内濠も埋めるつもりだろうから、他人事と看過しているわけにはいかない。じゃあ、どうする、っていってもなんら打つ手はないね。