バカ

「納豆を食べればダイエットできる」とテレビ番組で紹介されたため、全国のスーパーなどで納豆の品薄状態が続いている。納豆を買い求める消費者の需要に応じきれない主力メーカーは、11日付で「おわび」広告を新聞各紙に掲載した。番組は、7日夜、フジテレビ系列で放映された「発掘!あるある大事典II」。朝晩1パックの納豆を食べると2週間で体重が減る、などとして、体重を減らした男女の実例を紹介した。

むかしは「みのもんた」の昼の番組で、商品が紹介されると、翌日には各店頭から売り切れが続発するという現象が、よく起きたものだ。ココアやバナナ、リンゴや豆乳やカカオチョコ、こんにゃく、プーアル茶など、枚挙に暇がない。こんなにいろんなものを飲んだり食べたりすれば、体にいいわけない筈なんだけどね。

話し変わって、くわい頭というと、思わず「剣客商売」(池波正太郎)の秋山小兵衛を思い浮かべてしまう。ほとんど毛がなくなったとんがり頭のてっぺんに申し訳程度の丁髷が乗っている。一見滑稽だけど、それなりの風格を感じさせる。くわいはどうして「慈愛のある姑」などという難しい漢字になったのだろうか。

「くわい」と「ちょろぎ」といえば、いまや正月に一部の家庭でしか見られなくなった珍品だね。慈姑は若くして亡くなった母の大好物だったから、決して好きではないけれど、妙に思い入れだけは強い。灰汁を買ってきては、一晩中つけてえぐみと苦味を抜き、丁寧に皮をむき、熱湯でゆでる。パサパサ、ボソボソした味で、ちっともうまいとは思わなかった。子供心に血の道を下げる効果でもあるんだろうなって漠然と思っていた。

ちょろぎは「草石蚕」と書く。これまた難しい漢字だね。ちょろぎとなると、まったくのお手上げ状態、我が家にはまったく縁がなかったから、食したこともない。以下、他人様の請売りである。<ちょろぎの塊茎は長さ1〜3cm程度の巻貝のような形をしており、この塊茎を塩漬けにしたり茹でたりして食べる。ゆり根に似た食感と生姜のようにピリッと辛い味がする。塩漬けは梅酢やシソ酢に漬けて赤い色をつけることが多い>。