外来語の意味

ガイアは地球、チャイナは陶器、ジャパンは漆器バロックは歪んだ真珠、アバランチは雪崩、バスタードは私生児、ハーレークインは道化師、アーモンドは子宮、オーベルジーヌは茄子、アルデンテは歯応え、パエリアは雑炊、アルゴリズムは問題を解くための手順、プロパティはものの情報。巴旦杏(はたんきょう)といったらアーモンドの漢名だが、和名では扁桃腺の扁桃、さらにいえば、コブコロ、いや、子宮を意味する言葉でもある。

小渕と黒田の男声2人組がお互いの頭文字をミックスして結成したデュオ、「コブクロ」は女性に大人気となった。子宮という名前だもん、どうりで女性に人気があるわけだ。「アバランチ・エクスプレス」というつまらないアメリカ映画があった。インデアンに襲撃される西部劇映画と勘違いして、映画館に入ったが、そういえば雪崩に襲われたんだっけ、忘れちゃったな。アパッチとアバランチを勘違いしてしまったわけで、いうまでもなく。

若い女性向けのシリーズに「ハーレークイン・ロマンス」というのがあり、けっこう売れているようだ。コチトラにはまったく関係ない別世界だが、ピンクを基調にした華やかな装丁は本屋でも目立っている書棚の一つだね。ハーレークインが道化師だとすると、「恋は道化師だぜ」っていう、きついシャレなのかもしれない。

イタリー料理といえば、安くて量が多いという評判だった時代がある。食べるのはスパゲッティ・ナポリタンかマカロニ・グラタン、それ以外知らなかったからしょうがない。スパゲッティをパスタといわないと、いまじゃ田舎もん扱い。スパゲッテイ以外のイタリア語はほとんど知らなかったが、ペンネだとかアルデンテだとかオーベルジーヌだとか、いまにも舌をかみそうな横文字は飛び交っていなかった。

マカロニといえば、マカロニ・ウエスタン、和製英語だそうだけど、まさに言い得て妙の命名だった。当時イタリーは開発途上国、料理も映画も三流だった。アメリカで売れない俳優をかき集め、黒沢明監督作品のパクリ専門で、荒唐無稽さと残虐さを売り物にする三流映画だった。だけど、これがまことに面白い、若き日のクリント・イーストウッドは颯爽としたヒーローとして登場、リー・ヴァン・クリーフは渋いヒール役を小憎らしく演じた。エンリオ・モリコーネの映画音楽も哀愁があってよかったね。