バイラルアド

インターネットの世界でウイルス(virus)と言えば、コンピューターに感染して勝手な表示をしたり、データを破壊する悪質なプログラムを言う。だが、同じ語源のバイラル(viral)となると、今、最も注目の広告手法となる。口コミをフルに活用するものだ。「バイラルアド」「バイラルCM」は、欧米で数年前から現れたCM・マーケティングの手法だ。ネットユーザーの口コミで動画や音声、テキストなどのファイルを伝達させ、広めてゆく。CMではあるが、ユーザーがおもしろいと思ったものだけが転送されるため、内容は凝ったものが多い。驚かせたり、笑わせたり、興味を持たせることが大事なのだ。「ねえ、見て見て?これおもしろーい」とならなければいけないのである。

ファイルは、Webサイトにアクセスさせたり、メールで転送する。積極的に転送を奨励するため、ユーザーにとっても、著作権でがんじがらめに縛られたコンテンツより扱いやすい。たとえば、角川グループの情報サイト「ウォーカープラス」には、「バイラル」というコーナーが設けられている。世界のおもしろCM、映画や音楽のプロモーション、アイドルの動画ブログなどが用意されており、「バイラルする」というボタンをクリックして、友人などに紹介できる。その際、「笑える!」「びっくり!」「泣ける!」などに分類し、コメントをつけて送れる仕組みだ。

バイラルアドの「バイラル」は「ウイルスのように伝染していく」という意味。人と人とのつながりを活用して情報が次々に広がってゆくという点が特徴だ。また、既存の広告が、大メディアに莫大な広告費を払っているのに比べ、安価に打てるというメリットもある。最近めっきり民放を見なくなった。コマーシャルの合間に、画面を差し込んでいるようなやり方にほとほと愛想が尽きた。それも外資系損保の宣伝、同じような内容を異なる三流役者にしゃべらせるだけの安直なやり方、もう喧しいったらありゃしない。サラ金もうるさいし、民放は節度あるCM作りをやらせるべきでじゃあないのかなあ。